会津駒ヶ岳

会津駒ヶ岳
 約一年前から決まっていた、知人のTさんプロデュースによるおやじ登山が行われた。参加したのは5名でいつものおやじたちである。
 会津駒ヶ岳は、福島県百名山で登りのコースタイムは3時間50分となっている。今の自分の実力では3時間が限界だろうと考え、アミノバイタルと痙攣防止用の芍薬甘草を買い込んで臨んだ。
 朝3時に起床し、3時半ごろくさのさんにピックアップしてもらう。前日は家人が遅出だったので睡眠時間は3時間ほどであった。そして、マッチーさん、知人のTさんと合流し、はまちゃんの家に迎えに行く。今の時期、4時頃はもう空は白み始めていた。
 交代で運転をつなぎ、宿泊する旅館に挨拶すると、前日に滑落事故があったという。車で滝沢登山口まで向かうが、路上駐車の車が全国から集まっており、だいぶ下に停めざるを得なかった。
 10時登山開始である。

 直ぐに急な階段である。この山は等高線で確認すると最初の1時間半ほどは急登でその後、駒の小屋まではなだらかな傾斜になる。頂上直下が急登であると読める。

途中で誰かがヘタって頂上の集合写真が撮れない場合を考えて出発前に集合写真を撮る。

 中間時点の水場でタイムを計るとコースタイム1時間45分のところほぼ同じような時間で来れているのでこのまま進む。
 ここでくさのさんから冷たいオレンジの差し入れがある。ありがたい。

 中間地点を過ぎると傾斜は半分ほどになるが、登山道が水浸し状態になる。

 標高1700mぐらいからは雪渓歩きになる。軽アイゼンも持って来なかったので靴のまま歩く。
 途中で頂上らしい場所を目視できる。これが段々と近づいてくることを実感しながら歩く。

 キックステップは体力を奪うのでフラット走行で歩くが傾斜の強い場所ではやはり滑る。
 もう50mで頂上である最後の急傾斜の雪渓で私は両脚が痙攣してしまった。急傾斜でリュックが谷底に流れないように足で止め、薬を出す。やっとの思いで飲むが効くまでに少し時間がいる。もう15時に近いので日没との勝負になり、登頂は半ば諦めていた。20mほど登ると、知人のTさんが、ストックを振って催促しているのが見て取れた。
 私は待ちきれずに下山して来た途中と判断し、ここで戻ると叫んだ。すると、下山して来た見ず知らずの若者が、ここで戻るなんて、あんたダラけ!というような顔をして、頂上は5分ほどと促す。痙攣気味の足を引きずるように急登の雪渓を登ったら頂上が見えた。最後は木道であり、皆が待っているのが見えた。しかし、後5mというところで痙攣がぶり返し歩けない。這うようにして何とか登頂できた。
 41座目、ヘロヘロになりながらであった。

 15時であった。小屋での待ち合わせ時間と合わせて一時間ほど待たせたようだ。
 頂上からの眺望を一枚撮る。

 登りで撮れなかった駒ノ小屋である。

 下山はもっと悲惨であった。雪渓が溶けて登山道が泥沼化する。足の痙攣をだましながら歩いていたので、登山より時間がかかってしまった。

 太陽は沈みかけていたが、まだ少し明るかった。
 そして、登山口から数分の場所にある宿泊場所に向かう。

 宿のご主人はあまりにも遅いので心配されたという。
 玄関の戸を開けた途端、ワックスでピカピカの床が目に入る。

 夕飯時刻を1時間遅らせてもらい先に温泉に入る。広々とした源泉かけ流しのいい泉質であった。この少し熱めがちょうどいい。
 そして、夕飯である。まずは、この企画のプロデューサーである知人のTさんの音頭で乾杯である。

 料理は山菜中心の山の施設ならではの内容であった。そして、おかみさんから一点づつ説明があった。一流料亭に来たような錯覚を覚える。

 しかし、せっかくの料理を前に私の身体は悲鳴を上げていた。軽い吐き気とだるい体。無理な運動をした後に起こる状態に似ている。一口も食べることが出来ず、畳みで横になる。皆さんには申し訳ないが、姿勢を保つことも出来なくなっていた。
 話は弾む。しばらく休んで少し食べることができることが出来た。

 部屋は2部屋で三人と二人で分かれる。ほとんど寝てない人たちばっかりなのでしばらく話した後熟睡であった。
 翌朝は、小鳥の声と沢のせせらぎの音に起こされる。まだ、4時であった。
 朝風呂は5時からなので布団の中で、登山の内容を思い出していた。今週末に心臓の検査結果がでるので、悪化していたらこれで終わりになる。今回の登山はフィナーレにふさわしいのではないかなどと、頭の中で堂々巡りする。
 5時になった。不思議なことに隣で眠っていたくさのさんも起きられた。二人そろって朝の一番風呂を楽しむ。
 そして、しばらく余韻を楽しんだ後は朝食である。

 すべて美味しかったが、特にご飯が美味しくてんこ盛りで2杯も食べた。どうだと思っていると3杯お代わりした人もいた。
 食後のコーヒーも高そうなマメであった。マイルドな味わいが心を落ち着かせる。

 たくさんの感動を与えてくれた宿であった。集合写真を撮って後にする。

 次の企画は尾瀬散策である。6月に入ったばかり。6月と言えば夏である。夏が来れば思い出すものがある。はるかな尾瀬ミズバショウである。
 しかし、3時間かかるというので、短縮版のミニ尾瀬公園に向かう。宿で割引券ももらえた。
 途中の川で釣りをしている人たちがいる。

 ミニ尾瀬公園に入る。朝のすがすがしい風が吹いており、実に気持ちが良かったね。

 ミズバショウ

 ミツガシワ

 オサバグサ

 ミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ

 散策路は川をめぐるように作られている。ふと川面を見るとイワナだろうか。

 クロユリ

 ヒメサユリ

その他出会った植物たち。


 帰路、昼食場所を探すもなかなか気に入ったところがない。高速のSAかなと思って居たら、高速に入る前にラーメン専門店があった。どれもおいしそうであったが、五目中華にした。味噌ラーメンも旨かったと聞いた。

 そして、この店でカメラを忘れたのである。電話したら翌日に届くように手配していただいた。味がいいということは、その他のことも一流ということの証を見た。

 

〇まっちーさんから送られて来た写真










〇くさのさんから送られて来た写真