樹木診断(衰退度判断など)

■樹木診断(衰退度判断など)
 講義は昨日の続きである。地元ではどんな樹木を植えることができるかは、昨日の温量指数を手掛かりに、植生図が出されているようだ。生物多様性センターのHPに出ているという。
 カルテの項目の説明の続きで衰退度判断の説明であった。
 確認する項目は、樹勢、樹形、枝の伸長量、梢や上枝の先端の枯損、下枝の先端の枯損、太枝・幹の欠損、枝葉の密度、葉の大きさ、葉色、樹皮の傷、樹皮の新陳代謝、胴吹き・ひこばえの項目を調べて採点する。
 この中で葉の大きさや色は図鑑と見比べるということであった。
 続いて、各種被害調査票である。ここには、害虫、きのこなど発見発生情報を書くが、正確な害虫の名前や菌類の名前と病名が必要である。写真や現物採取する場合もあるという。
 最後は、土壌の話であった。
 専門業者が植えた樹木がたくさん枯れている。理由は、土ではないものを土だということで植えるからである。通称、山砂と呼ばれている土は、植物の生育に必要な養分がある山の表面から採取しているのではなく、山の内側から採取している。このため、この中には植物に必要な成分は何も含まれていない。黄色い土はこれである。
 樹木が生育する場合は、有効土層が必要で、12m以上になる樹木にしたい場合は深さ1.5m、半径6mの範囲を有効土層にしなければならない。
 少ない土地しかない場合は、木を大きくしてはいけないのである。その場合には、日ごろの世話と剪定技術が必要になる。ほったらかしにしておいて、周りから苦情がくるなどどうにもならなくなり、切ってしまったという話もよくあるらしい。
 切る場合にもお金がかかる。
 診断した結果はどうなるか。樹木医がこれに基づいて、土壌改良などの見積もりを提出した時点で終わりである。個人の家で木の修復に100万円ほどお金をかける家はないとのこと。公共施設の木は土壌改良処置などで生き返ったが、すごいお金だったらしい。大きくなった木は、レッカー車が必要であるし、場合によっては舗装をめくる場合もあり、大きな工事になる。
 樹木が枯れたなどという話をよく聞くが、地盤が固いのではないかと思う。そうすると根が伸びず枯れる。枯れないまでも、弱り害虫の餌食になる。
 家を建てる場合、少し隙間ができたので木でも植えようかという幼稚な考えの施主がおれば、まさにこれである。
 自分の樹木管理方法は、ほったらかしである。実家の裏庭であるが、カキノキがイラガで丸坊主である。幸い鳥も来てくれるので餌になってくれていることを期待している。庭木には一円のお金も掛けないというのがぜんち流である。