樹木診断(カルテ)

■樹木診断(カルテ)
 この授業は学科と実習がある。実習は天気に左右されるので頻繁に変更がある。
今日の午前中は、刈り払い機の実習であった。前回は、分解組み立て、歯の交換、エンジンのかけ方が主であったが、今回は実際に草を刈れるかである。
 実は、自分は別の講習会で終了証をもらっていたし、前の職場でも嫌になるほど使っていた経験がある。しかし、挫折の連続であった。作業中に中断させられ、全員が集められ悪い見本ということで紹介されてしまった。
 悪い理由は、『まっすぐに歩けない』ことにあった。
 これは、先天的な資質であろう。思い出すと心当たりがたくさんある。関係があるかどうか分からないが、工作の時間では、ノコギリでまっすぐ切れなかった。釘もまっすぐに打てなかった。要するに、何かが曲がっているのである。(フムフム)
 まったく、今日ほど自己流が通用しないことを痛感した日はない。まあ、草は刈れるのだけれども、お金が取れる草刈りではないというとだ。
 午後からは、樹木の診断の続きである。今回は実際の樹木医が記入する書類についての説明から始まった。先生方は樹木医の資格を持っている。まあ、カルテのようなものである。対象となる樹木を前にいろいろ調査して総合診断を下すのである。
 目的として4つ挙げられていた。
 ①移植の可否を決める。・・・・衰退度調査、土壌調査
 ②樹木の健全度を知る。・・・・衰退度調査、病害診断
 ③樹勢衰退原因を見つける。・・衰退度調査、病害診断調査、土壌調査
 ④倒木危険度を判定する。・・・外観調査、精密調査
 後日この調査票を作成するということで、項目の説明が先になされた。
 ・温量指数、寒冷指数・・・月別の平均気温で5度以上の月について、平均気温から5度を引いてその和である。寒冷指数は、5度以下の月で5から引いた和である。
 これは何に使用するかというと、この指数ごとに熱帯多雨林や照葉樹林や亜高山帯針葉樹林などと分類ができ、それごとの植生が調査されている。図鑑などに書いてある内容である。
 そうなるとどうなるかというと、例えばハイマツを家の庭に植えたいという人が現れたら、ハイマツの寒冷指数を調べて、その区分を求め、家の庭との差で植えても育たないということを理論的に説明できることになる。
 また、それぞれの測定値についてその意味の説明があった。120cmと20cmの幹回りを測定する目的は、その差が小さければ埋めら過ぎか土をかぶせられた可能性があるという。どの項目にも深い意味があるということであった。
 問題なのはスケッチをしなければならないことだ。上からの図、外観側面図2枚、
単独の図を東西南北で4枚である。いずれも、対象となる樹木周辺の植生が分からなければ何もできない。当然、虫食いの状態も記録される。そうなると、害虫を特定し、病名を診断できなければ書けない。この後少なくとも、土壌関係の授業が別途あるということが分かった。