支柱

 今朝の新聞に剪定作業中落下し亡くなられた方の記事が載っていた。明日は我が身と思い戒めにしたい。

■支柱
 大きなジャンルでいえば「植栽」分野である。当然ながら掘り起こした木は運んで別の場所に植えなければならない。運ぶときは根っこが切ってあるので、穴に埋めただけでは不安定である。そのため、根付くまで支柱を立てて補強をする。
 この支柱は公園などでよく見かけるが、姿とは別に技術の塊であった。支柱の種類は3つほど紹介されたが、一番よく使う「八ツ掛支柱」を学ぶ。支柱3本で支える方法である。
 まずは、説明である。なんと図面が配られた。やはり、図面が読めないことにはどの業界も勤まらないことが分かり面白かった。
 なぜ、八ツ掛支柱というか2説がある。一つは、縛る場所が、支柱と樹木で3か所、支柱とヤラズ杭で3か所、支柱同士で2か所と計8か所を縛るからという説、もう一つは、見た目が漢字の八の様に見えるからという説であった。
 説明が終わった後に実習であった。3mの丸太を60cm掘って樹木にみなし、竹で支柱を作るのである。今回新しく加わったものに針金がある。こんなものなんの心配もいらないと考えていたら、見せるための針金の巻き方というのがあり、感動であった。もう一つの面白かったこととして、樹木と支柱はシュロ縄で固定する。このシュロ縄は黒いので水に浸さなければ滑らないので使いにくい。しかし、そうすると、手が真っ黒になり、水滴が作業服に飛び散ると洗濯しても落ちなくなることは前回経験済である。先生より水に浸してから使うようにと指示が出ていたが、誰も水に浸さず、そのままやりにくそうに縛っていたことであった。
 午後からが、「根回し」の講義である。樹木を移植するときにうまくいくようにあらかじめ準備しておくことをこの業界用語で根回しという。
 移植が容易な樹木としては、イチョウ、ウメ、ヒマラヤスギ、モチノキがあり、移植が困難な樹木には、コブシ、カキ、ネムノキ、ハクモクレンがある。中には、フジやジンチョウゲのように根っこを切った時点で枯れてしまう木もある。
 根回しは、断根法と林試移植法がある。
 断根法は、穴を掘り、根を切るが太さ3cm以上の根に対しては面取りを行い埋め戻す。そして、移植するときには、一回り大きく掘るものである。
 これに対して、林試移植法は、根の形成層までを15cm環状剥離させて、埋め戻す。根は切ってないので、水分やミネラルは葉まで行くが、葉で光合成された糖分は途中で師部が剥離されているため、根の先端まで届かない。その場合、剥離界面にカルスと呼ばれる組織ができる。これは、何にでもなる組織である。
 DVDに出ていた変わった結び方として、巻き込み結びも習う。テンションがかかっている状態であれば外しやすいので覚えておくと便利とのこと。

■「尻尾と心臓」(伊井直行著、講談社、2016年)を読む。
「〜これまでIT化だなんだと言って導入されたシステムや機器が、かえって仕事をふやすことになったり、〜」
「細大漏らさず」
「退職すると、働いていた時の実感みたいなものは思い出せなくなる」
「平凡なサラリーマンなんて、どこにもいない」
「〜会社は鈍感な方が出世する。ただし、そんな人間ばかりだと会社は潰れる。」