植え付け

■植え付け
 植栽の授業の続きである。昨日は掘り取りまで行ったので、今日はそれをトラックに積んで、植え付ける場所まで運び植え付けるのである。
 根巻きまで終わっている樹木(2m超)の上部にロープを掛け、引っ張って斜めに傾けて近くの樹木などに固定する。
 次に登場するのはスリンガーであった。何回も使ったことがある2t用である。違いは、長いものと短いもので1セットということであった。
 まず長い方を根鉢に巻く、そして短い方を幹の中ほどに巻く。クレーン付きのトラックを横付けし荷台に乗せるが、あらかじめウマと呼ばれる台を乗せておく。こうすると、ほぼ水平に荷台に固定できる。ナンキン結びで2か所縛る。常識であるが、縄と樹木の間には緩衝材を入れておく。
 移植先にトラックを付けるが、まず穴を掘らなければならない。どのくらいの穴が必要かといえば、円周は根鉢の大きさ+60cmである。根鉢は直径100cm、高さ50cmの大きさである。掘って、掘って、また掘ってを班ごとに2分ごとに何セットか繰り返す。私はこの作業の途中ふらついてしまった。『はい、交代で〜す。』になってしまった。2分も持たない体であることが実感できた。
 ちなみに重さはどれだけだろうか?普通土の比重は1.7という資料があったのでこれに基づいて計算すると667kgになる。これに樹木の部分を加えれば約700kgという計算になる。
 荷台から横に降ろす。そして、緑化テープで幹巻きを行い、穴へ入れる。この場合は長いスリンガーを根元に縛り釣り上げて入れる。そして調整である。
 穴の下にはあらかじめ20cmほど盛り土をするのであるが、重さで潰れてしまい深植えになる危険性が出て来た。そこで、人力での方向転回と底上げの方法の説明がある。700kgの物体を人力で回転させるには、スリンガーを根鉢の周りに巻き、棒でテコの原理で回すことができる。
 底上げの方法は、一方を傾けて空いた隙間に土を入れ固め、次に反対側に倒し、隙間に土を入れ固める方法を繰り返す。
 位置が決まったら、水極めという方法で行う。この樹木はモチノキなのでこの方法が採用できるが、マツの場合は土極め法で行わなければならない。
 水極め法は、堆肥と土を交互に入れる時に水を一杯に満たす。こうすると土と堆肥が混ざるのである。
 そして、雨水や葉から落ちた水が流れにくいように、水鉢を作る。今日はここまでであった。休み明けに支柱をすれば植栽が終わる。
 水極め法で入れた水が抜けるには数日かかるが今回はぬかるんだ状態で水鉢用の堤防を作った。
 時間が少し早く終わったので学校の正面に作ってあった100mほどの竹垣を全員で壊す。
 最後に、わら縄により幹巻きの実演説明があった。スリンガーの養生に使えるという。