3cmの呪縛

■3cmの呪縛
 朝は雪がちらつく日であったが、徒歩なので風がない分すぐに暖かくなる。今日は午前中は学科で午後から実技練習が始まる。
 学科は歴史の続きであったが、ノートを忘れて来てしまった。
 実技は、制限時間2時間である。先生は最初は手順の確認と正確さを目指してほしいと言われたが、こっちはタイムを気にしながらであった。
 まずが、四ツ目垣であるが、汗が滴る。支柱がまっすぐに立てれない。一度掘りなおした。水糸はケチって兼用にしたので支柱の垂直を見るためには錘を途中で下げなければならず、それにてこずり焦る。
 やっと立てて胴縁、立子、結束を終わってまずますと思っていると、先生が近づいて来て、高さが違う、幅が違うと指摘される。そんなことはないと計測すると高さが3cm高く、幅が1cm上と下が違っていた。竹の切り方も段が出来て減点になる。
 図面はGLからの寸法であるが、このGLはデコボコなのであてに出来ないので、3cm上の水糸を基準に作るのであるが、支柱に87cmの線を言われるまま正面にひいてしまったことが敗因である。高さは水糸でしか合わせれないので、これからはスケールで確認しやすいように横にも87cmの線を引こうと思う。
 片方をやり直ししてるので、休憩時間返上で行う。息が切れる、汗が滴る、作業服の色が汗で変わる。今は冬のはずだ!結束は、問題なくできた。
 続いて、縁石である。水糸を図面の高さ通り5cm上げて設置した。2つの縁石も1mmの隙間もなくくっついてほくそ笑んでいると、先生が近づいてきて、この縁石も高いという。また、図面の5cmに気を取られて3cm高を忘れていた。隣の班も違っていたようだ。2cm高で設定しなければならない。ここで、気持ちが折れてしまった。このまま、敷石を設置したが、その際、縁石との隙間が狭いので縁石の寸法を測られたら、x軸、y軸方向の寸法が違っていた。つまりz軸も違っているので、めちゃくちゃということであった。
 中には2時間で製作された方もいる。自分は、このままやっても無駄なので明日続きを行うことにして、力なく降りた。最初から受かる気はしていなかったが、どうやらその通りになりそうである。来月本試験であるが、年末年始もあり、実働時間はそう多くない。

■「根源へ」(執行草船(しぎょうそうしゅう)著、講談社、2013年)を読む。(その4)
「〜六千頁もの大著を原書で読みました。」
「受難を引き受けない人生は価値がない。それは希望のない人生が、人生ではないのと同じです。」
「愚者であらねばならぬ」(パスカル
「徹底的に絶望したからこそ、本当の希望が生まれた」(ドン・キホーテ
「一切の権威に頼らない生き方をした武士を悪党と呼んだのです。」
「戦争は平和である。自由は屈従である。無知は力である。」
「我々は、原子力そのものによって滅びるのではありません。情熱の喪失によって陥る、原子力を制御できるという錯覚による罪によって滅びるのです。」
「自分はどこから来て、どのように生き、どこへ向かって死ぬのか」
「良い死を迎えるためには健康でなければならない〜」
「〜どう老い、どう死ぬかを決めれば、年を取れば取るほど人間は賢くなり、人格も高潔になっていく〜」
「老いるとは、力強く生きなければ達成できるものではないのです。」
「老いは、私たちの顔(肉体)よりも精神(心)に多くのしわを刻む」(モンテーニュ
「辞世の句というのは、死の直前に詠むのではなく、かなり前から用意しておくのが普通です。」
「使命感に生きている場合、医者の治療を受けようが受けまいが、人間の寿命には大きな違いはないということです。」
「文学を失えば、その民族は滅びる」
「文学とは、活字でもないし、書物でもない。」
「〜自然科学の研究には、詩の心が必須〜」
「〜気塊とは何か。〜世論を聞くな、富を求めるな、地位を求めるな、人の評価を恐れるな〜」(内村鑑三