富山の酒

■富山の酒
 風の強い日であった。幸い雨に会わず登下校出来たのが良かった。風に吹かれて歩いていると、山の稜線歩きを思い出していた。
 午前中は実習の続きである。自分は整地のみ行うことにした。本試験では10分も確保できればいい方だが、これが悪いと確実に減点される。
 整地は通常粗整地と本整地となるが、試験の場合は、GLを作らなければならない。試験エリア全体で基準線より3cm下に平面を作らなければならない。
 試験開始前は整地してある。しかし、穴を掘ることから土が余ってくる。この土の処理を誤るとどうなるか。高い場所と低い場所が出来てしまい、これを均すのにすごい時間が取られてしまう。
 そこで、残土を領域外へまとめる試行をしたところ、いたるところで低い場所が出来てしまった。これは、自分が作業中に踏んだため下がったためである。周りから土を入れながら図面通りに高さのみ合わせたら2時間かかってしまった。
 これではお呼びでない。そこで次回は、区画ごとに粗整地というか高い低いを調整しながら進めることにしよう。そうすると2時間で終わらないだろうが、しかたがない。何が難しいかというと低い場所を特定する能力が乏しいことである。これは努力だけでは到達できない才能の壁というもので、もろこれにぶち当たっている。土木関連の仕事を経験された方は数ミリの傾きも見た目で分かる。やっぱ、才能かねえ・・・!
 午後からは、大掃除の一部を行う。実習で使った竹を欲しい人に渡すという。自分も手を挙げたので、月曜日に数十本ほどもらう。どうせ、捨てるだけのようだ。雪囲いには十分間に合う。
 最後は、富山の酒というタイトルで出前県庁しごと講義が全生徒を集めて行われた。
 酒米として、五百万石、雄山錦、山田錦、富の香、雄町というのがあるそうだ。日本酒の出荷が増えて、酒米栽培が追い付かないという。面白かったのは、酵母を花から採るという研究である。タテヤマウツボグサから酵母菌を採取した例が話された。酵母は花に付くということである。

■「昼咲月見草」(野中 柊著、河出書房新社、2010年)を読む。
「銀杏〜熱々の殻を手にして、不器用にペンチを使い〜」
「バニシング・ツイン〜双子なんだけど〜一人が消えちゃうこと〜」
「全知全能の神は、まず庭に植物を植えた。植物は、人間の最大の喜びであり、人間の魂を最も力づけてくれる」(フランシス・ベーコン
「〜アブラムシがつきやすい植物のそばにはニンニク類を植えると虫除けになる〜ミント類は薔薇につくアリマキ除けになる〜」
「私はかつて土だった。」
「羽衣草」
「わたしも、かつて、木だったような。いつだって、また木になれるような。」