尖山(道間違い)

■尖山(道間違い)
 町内の回覧板が回って来た。注意しているのは味噌作りイベントである。昨年初めて挑戦したが、案外うまくいったので、今年も参加する予定である。申込日は公民館の前に待って、担当者が入ったと同時に申し込む予定である。今日も天気がいい。
 味噌作りと考えて、ミソサザイを連想した。そして、尖山でらしいのを見かけたことを思い出し、ちょっと寄ってくることにした。

 カワラヒワが元気に啼いているが、青空の方が素晴らしい。こんな日は、日焼け止めは必須である。少し多めに塗って歩き出した。

 ここは、冬にも来ている。土砂崩れがあったのでその横を通って行ったが、今日は通行止めになっている。

 少し迷っていると、斜め左に作業道のような道がある。こっちの方が早そうだ。どこへ出るんだろう?
 吉峰山に抜ける道に出たので、右へ行くとおなじみの標識が見えた。こっちも、通行止めになっている。

 あまり早く登るとつまらないので、ゆっくり歩く。風が気持ちいい。雪がないので歩きにくい。水場では水が出ていたので、ゆっくり一杯いただく。

 聞いたことのない鳴き声もあり、どころどころ立ちどまったが出会いならず。カケスが近づいて来たので狙っていたが、樹木の向こう側であった。
 結局出会いはなく登頂してしまった。

 しかし、いい天気である。頂上では4組がおり、世間話をしたり、写真を撮ってあげたりして過ごす。ベンチがいっぱいになったので、下山しようとするとアゲハチョウのような蝶が3頭で群れている。撮ってみるとギフチョウのようだ。ようだ、というのはあのあざやかな色は退色しており、春の妖精とは程遠い姿になっている。全ての生物はいずれ死んでしまうことを印象付けられた瞬間でもあった。

 どうも山に登った気がしないので、帰りは夏椿道で帰ることにした。実は、過去に一回登ったことがあったが、これは連れて来てもらったものだ。下山では初めてである。地図にも表記されてない道である。

 少し急ではあるが、誰にも会わず静かないい道であった。まず、名前の由来のナツツバキを探そうと歩く。野鳥もいるが、なかなか見えない。
 看板が2枚ある場所に着いた。ここに大きなナツツバキがあった。これがシンボルだなあ。葉を確認すると主脈が引っ込んでおり、ナツツバキに間違いない。

 手書きの標識が上下2枚あるということは三叉路だろうと想像は付くが、山に入ると正常な判断ができなくなるらしい。標識の名前は知らない名前であり、横江という文字だけは分かった。右側は藪で大きな丸太が横になっている。こういう形は通行止めの可能性が高い。魔が刺したようで、歩きやすい左側へ行ってしまった。途中まではいい道である。しかし、やがて獣道のようになった。そのまま進むと、水場の上に出て来た。大きく外れたようだ。まあ、遭難にならなくて良かった。
 次は、夏椿道を登山口から登ってみよう。そうすれば分かるだろう。自己責任で同行されたい方を募りたいが、誰もいないだろうなあ。
 帰路に竹藪がある、ふと見ると道端に顔を出している。いい形だ。