■陶芸
物心ついてから半世紀以上は経っているが、自分に最も縁がない分野は、芸術、創作という分野である。リアルぜんちを知っている人は、ぜんちベクトルと芸術ベクトルが交わることはないであろう。芸術はねじれの位置に存在している。
しかし、一度経験するのもいいではないかと、長い間機会を待っていた。今回、町内で陶芸教室が開かれると回覧板が回って、何のためらいもなく申し込んだ。
申し込みは先着順で20名定員のところ20名参加と盛況であった。
あまり知られてないが、地元には越中瀬戸焼という陶器の産地がある。今回の先生はここから出張して来られている。
最初は、先生によるお手本の見学である。皿とカップの2点を作るという。
材料は通常の講習会では信楽焼きの土を使うことが多いが、今回は越中瀬戸焼の土を使う。この土は粒子が細かく質がいいようである。
まず、1kgの粘土を手で半分に分ける。
参加されている方の中には経験者もおられ、直ぐに素晴らしい作品を作られる方もいたが、自分は応用は無しで先生と同じ皿とカップにした。
最初は、ハンバーグの空気抜きのようにしながら、丸くする。
次は、手のひらで均等な厚さになるように伸ばす。これが、なかなか難しい作業であった。
他の方を見ていると、慣れている人は、麺棒のような道具で伸ばしているので、真似っこする。しかし、見よう見まねでうまくいく訳がない。
楕円形になってしまったが、これはこれでいい、と自分を納得させて、縁を慎重に曲げて行く。これは、下の布を回しながら行うといいと習った。
続いて、カップである。これも手順は同じで丸くする。工法はいくつかあるが、ろくろがないので、手ひねり法という方法で行う。
真ん中に親指を入れて徐々に広げながら伸ばしていくのである。これも、下の新聞を回しろくろのようにしながら行う。
最後は、取ってを付けて終了である。
一緒の方から皿を褒められ、先生からはカップを褒められ、お世辞と分かっていても人間おだてには弱い動物である。豚もおだてれば樹に登る、ブヒ、ブヒィー。
この作品は、この後釉を付けて焼きの工程に入る。そして、校下の文化祭に展示されるという。その後、各自持ち帰りという。