尖山(夏椿峠ルート)

■尖山(夏椿峠ルート)
 11月に入り里山歩きの季節になった。山の会に個人企画で登山イベントを企画した。同じ山の同じルートを歩いても感動が少なく少し趣向を凝らした。
 尖山は通常ルートでは30分ほどなのであるが、ここにはもう一つ夏椿峠ルートがある。このルートは登りでは数回経験があるが下りは今年の春に経験しただけである。しかも、本来の登山口ではなく水場の上に出てきてしまった。
 そこで、通常ルートで登り下山で夏椿峠ルートを使う案とした。企画を立てたが、天気予報は、西高東低の冬型の気圧配置で降水確率も80%となっており、晴れの登山を好む人には申し訳ないと考えて、企画を中止した。
 ところが、中止した後、くさのさんから18日空いているという連絡が入り、二人で実施することになった。今度は正しい登山口から戻りたいものだ。
 小雨がぱらつくなか、雨具と長靴でのぞむ。
 新しい標識には通常ルートの他、夏椿峠ルートもさりげなく記述してあった。

 登山道は水たまりがあったり、時折ぬめった場所があったりと歩きにくい。上からご婦人が降りて来た。こんな日に登る人が居るのだ。
 まもなく異様な光景を目にすることになった。案内標識である。来拝山に向かう場所に新しい400m標識が立っていた。

 そして、間もなく200mの標識である。

 階段状の場所に来たが、どうも違和感が伴う。こんな歩きやすい道だったかなあと思いながらであった。しかし、波板を見た時にやはり整備されたものだと確信する。

 そういえば、今年この山で死亡事故があったと思い出していた。
 階段が現れたら間もなく頂上である。雨が降る中で記念写真を撮る。

 眺望もないのですぐに下山する。私が先に歩いていたが、あまり整備がいい道になったので夏椿峠への下山口を通り過ぎてしまった。くさのさんのフォローがあった。

 ここの急坂ではロープで手を切らないことが求められる。長靴なので踏ん張りがきかない。やはり登山靴の方が良かったが、汚したくないので長靴にしたのだった。
 ロープや樹木に体重を預けながら下り、直下の峠に到着である。

 ここで二手に分かれるが、左へ行く。ここからが本番である。幸い、踏み跡も見えるので少し安心する。迷いやすい場所などあるのか、と思いながらであったが、ついにその場所に来た。私は立ち往生してしまった。くさのさんは、素直にまっすぐと言っているが、どうも道には見えない。その時、左側に赤いリボンが見えた。助かったと思い、左折する。樹木にもマーキングがされている。やれやれと安心して下ったが、今年の春と同じで水場の上に出てしまった。
 またしても、失敗であった。間違った原因は赤いリボンである。これを信じたために間違えた。幸い間違えた場所も分かっているので、次回は大丈夫であろう。
 お互い、来年のリベンジを誓った。
 本来出るはずだった登山口である。

 雨がひどくなっている。このまま帰るのもなんか消化不良のような気がしたので、テレビで放映されていたラーメン屋さんに向かった。

 あれっ!野菜ラーメンを頼んだのだが・・・・・。
 天候が悪い中、ひさびさの里山歩きは心地よかった。くさのさんに感謝である。