吉峰山

■吉峰山
 雪が降って来ている。この機を逃すまいと、加入している山の会で企画を立ち上げた。最初は、スノーシューの履き心地を確認するため吉峰山にした。
 他のメンバーの参加も呼び掛けたが2名の参加希望があり、1名のアクシデントのため1名のみの参加になった。なかさんは、年間60座ほど登頂されており、いろいろ教えていただいている。
 待ち合わせ場所の吉峰温泉駐車場である。

 積雪は30cmほどか、登山口でこの程度なので頂上付近はもう少しあるだろう。なかさんは、スノーシューを新調されたという。女性用である。スノーシューの事を良く知っている人ならうなるところである。男性用は浮力を得るために後ろが長い、しかし下山では長い後ろがつかえて歩けないことが起きる。自分のは長い。自分は買ってから気が付いたのであった。しかし、体重があるのである程度浮力を得れないとズボッ、ズボッが待っている。
 準備中のなかさんである。

 自分は長靴にカッパズボンと完全防備である。

 トレースは1名分ある。こういう林道にはスノーシューが一番威力を発揮する。沈まないのでワクワク感がある。
 林道を歩く私である。(撮影:なかさん)

 傘も下げているが、途中で落としてしまった。まったく、ドジである。
 まもなく、源泉小屋に着いた。

 コースは打ち合わせしてなかったが、ほとんどの方は中部北陸自然歩道の標識から尾根道に入る。しかし、なかさんは源泉小屋の直ぐ横の保安道から行こうと提案された。自分は初めてである。積雪があるので、道は分らない。全てが登山道になる。ヤブヤブの斜面を登る。

 先を行くなかさんから、左の尾根、左〜と案内される。
 登って来た斜面を上から撮る。どうみても登山道には見えない。

 しかし、GPSガーミンを操作しながらのなかさんの指示は適切であった。まもなく、尾根道の階段の登山道に入る。こうなれば、後は安心である。

 登山道を登る私である。(撮影;なかさん)

 そして、鉄塔の下に来る。この鉄塔を維持管理するための道であった。

 尾根道はトレースがなく、気持ちが良かった。やはり冬山はいい。スノーシューも威力を発揮してくれ沈まない。ヤッホー!である。まもなく、トレースのような筋が見えたが、カモシカの付けた筋であった。これに従って進む。

 気持ちのいい尾根道を歩いていると、カラ属の鳴き声が聞こえる。シジュウカラが居るようだ。途中から、先行者のトレースもあり、気分的には楽になった。
 前を行くなかさんからキノコ発見の合図があった。実は、無意識に冷凍ナメコを探しながらの歩きになっていた。

 数が少なく傷んでいるようなので、スルーする。種類も不確かだった。
 無彩色の冬山にあでやかな赤が目立つ。ソヨゴの実である。不味くて鳥さえ食べないとどこかで聞いたことがあった。

 まったく気持ちのいい尾根歩きである。天候は曇りで雨は降ってない。いいねえ。
 チェックポイントの野鳥観察小屋である。ここで見た鳥はいない。留鳥の標識があった。

 もう50mほどで展望台というところで、なかさんが左に登られる。下から声掛けしたところ、座主坊山まで行くという。地図ではとんでもなく遠い。通常は藪があっていけないという。積雪があれば尾根沿いに行けるという理屈は分るが、自分にその体力はなく、ここで分かれる

 私は右にコースを採り、すぐに展望台に到着である。

 さて、下山はどうするか迷ったが、温泉までの最短距離で下山することにした。
 下山では急傾斜があるが、自分のスノーシューでの対応策を検討済であったので試すことが出来た。なかなかいい。これなら、後ろの長いスノーシューでも大丈夫である。
 民家に桜が咲いている。コブクザクラ?と標識が付いていたが、この時期に開花する桜はあまり多くないはずだ。

 9時半から登りはじめ12時に下山できた。運動量としてはちょうどいいくらいである。カケスの鳴き声が近い。
 そして、吉峰温泉に向かう。サービス券が無くなったので610円で入る。

 リュックとスノーシューを受付に預けて脱衣場の入る。なんとミドルウエアがずっしりと汗で重い。通常は背中だけ濡れている場合が多いが、前も雨に当たったかのようにずぶ濡れであった。当然、アンダーも同じ状態である。つまり、安い上着では発汗機能が無いということであった。
 湯船に入ると、何秒間体がしびれて、動くことが出来なかった。やはり冷えていたのだろう。露天風呂は寒い風が吹いており、湯船に入らなければ我慢が出来なかった。それでも、心行くまで暖を取り、岩峅寺駅まで歩く。火照った体に少し寒い風が当たり、歩くことでの暖も相まって複雑な暖かさであった。
 今回は、なかさんから新しい道を教えていただき感謝である。座主坊山まで行かれたのだろうか。また記録を見て見たい。
 帰宅後にやることが残っている。スマホにドーナツ無料引換券が来ていた。そこで、車を走らせる。今回もゲットできて良かった。運動後の甘い食べ物は癒される。

 今日もぐっすり眠れそうな予感がする。