セカンドオフィス

■セカンドオフィス

 今週末の家人との海外旅行のため三番目が帰省しているので、送り迎えが発生する可能性がある。そのため、車を確保しておかなければならず、朝家人を送って行く。

 いつものように、セカンドオフィスへ向かう。三番目からコールが有れば5分ほどで帰宅できる店にした。平日の朝は静かで快適である。この店では決まってアイスティーにしている。一口飲んで異変に気づいた。実は風邪をひいており味覚が麻痺しているとこの時点では自分の舌の問題だと判断した。

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 それから、もう一口、二口と味わうに付け、異変は確定的になった。自分は、何か問題が起きた時は、一方がすべて悪いとは考えていない。そこで、レシートを確認するとアイスティーと打刻してある。味はアイスコーヒーに間違いない。このまま、知らん顔でも良かったが、伝票と現物が違ったら良くないだろうと考え、一言指摘することにした。

 指摘する場合に気を付けなければならないことは、高慢な態度にならないことである。多分アルバイトであろうし、安い時給でこきつかわれていると思う。自分なら時給二千円以下ではまず働かない。たまに、自分の落ち度がないと、勝ち誇ったよう、モンスターになる客を見かけるが、見苦しい。だいたい、この手の奴は無知、無教養と相場が決まっている。腹の中で、あんたの存在そのものが不要なんだと呟いたこともある。特に、退職後の高齢者は、説教でもするように、昔どこそこで役員をやっていたなどと嵩に来てアルバイトに接する。こういう場面でも、腹の中では、あんたはもう終わった人なんだよ、何を偉そうに!と呟く。自分が経営者ならお宅には販売しません。今後出入りを禁止しますと言うだろう。お客様は神様ではない。これで思い出した、何かの本に書いてあったが、似たようにお客を選んでいたIT企業は倒産した。

 そこで、「紅茶の茶葉が変わりましたか?」と、斜め45度から切り出した。レジの人はアイスティーで品物をいれ人がアイスコーヒーということが判明したので、これはこれでこのままいただくことを伝え、レジの内容を変更した方がいいと思ったので言いました、とした。

 これで一件落着と思っていたら背後で人の気配がする。店の方が、商品が間違ったことを詫び、無料券を進呈していただいた。こっちは恐縮しまくった。無料券はきちんと印刷してあるので、間違うケースが多いのだろう。そして、間違う分も価格に上乗せしてあると考えるのが普通であろう。

■「いきぢごく」(宇佐美まこと著、角川春樹事務所、2019年)を読む。

「罪深き~が遍路する可笑しさ、卑しさ。それでもお大師様にすがらうとする浅ましさ。」「いずれ仕事は引退するわけでしょ?」

「斬新なものが新しいものとは限らない~」

「独立するだけのことはあって、~腕は確かだ。」

「~人の情けを受けてはならない。生半可な気持ちを戒めた。」

「~このお四国をグルグル廻はって、果てるのみ。」

「ヘンドはおもらひで暮らしを立てる。決して盗みはせん」

「‘’ヘンド‘’は四国巡礼のなれの果ての姿と位置付けられている。」

「喪失、非傷、痛哭---近しい者を喪った時、そんな感情に浸った者だけが、また新しい光を見つけられる。」

「お四国を廻っているからと云って清浄なる身になれるはずもない。」

「鉄刀木(たがやさん)は、黒檀、紫檀と並んで唐木三大銘木の一つらしい。」

「人の本質は憎しみよ。憎しみだけが人を駆り立てる」