■ガトーショコラ
朝からなんとなくだるい。こういうサインは見逃さないようにしている。天気がいいので、これまでのパターンだと2kmほど歩いて一服というスタイルになろうが、今日は違った。最短のセカンドオフィスへ向かう。そうして、ケーキセットを頼んだ。
自分は甘い物が苦手であるが、ガトーショコラだけは例外である。思い出せば、東京時代、つまり約40年前であるが、あるところでいただいたケーキに感動した。甘くなく、自分向きと思えた。これが、ガトーショコラとの出会いであった。
その後も機会があれば食べていたが、どうも自分の好みとは違っており、いつのまにか頼むのをやめていた。自分の欲するガトーショコラの定義であるが、まず、重厚感である。比重が重くなければならない。別の言葉で言えばしっとり感といえばいいのだろうか。つまり、カステラの感触があるのはダメなのである。圧倒的にこのタイプが多い。次いで、甘みである。決して甘くなく、しかも微妙な苦さが伴うモノでなければならない。
前回この店に来た時に、若いカップルの男性の方がこれを頼んでいた。遠目で見てもその感じは分かる。そこで、今日頼んだ。完璧である。こういうのを待ち望んでいたのである。いくら出してもいいとは思わないが、ある程度高くても買うだろう。幸いにセット割引をしてくれた。豊潤な味に快適な音楽と美味しいコーヒーと、ゆったりと時間を過ごせた。毎月でもと思ったが、流石に財布は許さない。
先日から4月以降のイベントがポツポツと出始めている。現在のところ5件である。昨年は4月、5月はゼロ件であったが、来年度はポツポツある。
午後からもゆっくりすることにした。暇はいいねえ。包丁研ぎに灯油の回収などを行い。木の枝をスライスする。曲がった枝は丸鋸では切れないので手切りである。今日のはペンダント用であるが、一回に30枚使うと仮定して30業務と考えれば、約千枚用意しなければならない。一枚切るのに5分ほどかかるが、慌てずゆっくり行う。
「~世の中の大半は自分を含めて、そこそこおしゃれで退屈な男女でできあがっている~」
「結局のところ、あたしは死んでいることにちょっと退屈してきたのかもしれない。」
「手に入れば、次に来るのは失うことだけなのだ。」