大人の遠足・極

■大人の遠足・極

 退職後、定期的に企画されてきた「大人の遠足」もお互いの予定がかみ合わず、毎月という予定が毎季に変わってしまったが、日々の何の変哲もない日常に、ピリッとスパイスを掛けるような、非日常が味わえてこれまでの単調な生活に潤いをもたらしてくれている。このほど、久しぶりに連絡があり、雨天ではあったが、実施することができた。

 いつもは、最初に昼食から始まるのであるが、県内のため最初は宇奈月温泉から始まる。ここは、県外からも沢山来訪される一大観光地である。目的は、温泉である。

 「総湯」を目指す。なんと観光案内所のビルの中に総湯はあった。自分が、「総湯は観光案内所にあるんだね。」というと、知人のTさんは、「まあ、そう言うことだ。」と応える。その後に、爆笑が続いた。

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 総湯と言えば、野沢温泉である。50℃以上の湯船で1分も入っておられなかったことが思い出される。ここの源泉は98℃という。さて、どんなもんだろうか。男湯は3階にありエレベータが付いていたが、自分たちは階段を上った。

 入って驚いた。「お湯が違うねえ!」というのが、お互い最初に出た言葉であった。湯温は45℃ぐらいになっており、自分には快適な温度であった。時間を気にすることもなく、ゆっくりと頭だけを付けて足を伸ばす。

 湯船から上がって驚いた。皮膚が赤くなっている。赤猿のようだと自分がいうと、知人のTさんが、「猿?」と言うので、赤豚のようだと訂正した。

 温泉でも疲れが出て、その後休めば元気になるというのもあるが、ここの温泉は、血流が多くなるのであろうか、元気になるお湯であった。

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 火照る身体で駅前に向かう。ここが、宇奈月温泉の撮影ポイントであった。

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 血流が多くなって、内臓の運動も高まったのだろうか。お腹が空いてきた。そして、昼食のために「なないろKAN」に向かう。不思議なことにちょうど12時に到着する。知人のTさんは計画通りとほくそえんでいた。

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 ここには、ランチがある。少し値は張るが、プチ贅沢も非日常である。知人のTさんは、オムライスを自分はかす汁定食を頼んだ。目の前には、広い芝生広場が広がっており、向こうには山々が借景になっている。いやでも、気持ちは安らぐ。

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 かす汁は珍しく美味しかったね。

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 食後には飲み物が付いていると書いてあった。最初に頼むが、次の場所でコーヒーを堪能することになっているので、お互い紅茶を頼む。出てきたのを見て驚く。デザート付きであった。杏仁豆腐が美味しかった。

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 しばらく走って喫茶店に到着である。ここは、コーヒー専門店である。f:id:zen_chi:20201128162136j:plain

 自分は、コーヒー専門店の場合はストレートコーヒーを頼むことにしている。20代の東京時代の話で盛り上がった。ここは、トーストも有名なので、半分こする。

 知人のTさんはブレンドコーヒーを頼み、自分はさんざん迷った挙句、ブラジルを頼んだ。一口飲んで、ああこれだ!この味だ!と気分は40年前の東京に飛んでいた。

 それを見て知人のTさんは、スプーンで自分のブラジルを一杯すくい、次はこれにしようと、旨さを認めたようだ。次回は、もう少し人数を増やして皆で来たいねなどを話ていたが、乗車の関係で最大4名になろうか。

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 最後は、澤スギである。喫茶店から10分ほどの場所にある。

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 入場料は無料であった。展望台まで回り階段を駆け上がるも息切れ寸前であった。展望台から見た海方面である。素晴らしいの一言であった。

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 ここは、公園のようになっており、木道が整備されている。いつか、時間があるときには、ここをメインにして図鑑を片手にゆっくり観察したい。

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 湧き出ている場所にスギが育っている。

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 入善と言えば湧き水である。帰路注意しながら走っていると、湧き水が出る場所があった。

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 お互いに一杯づついただく。

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 この入善地区は、前の職場での自分の担当場所であった。道すがら毎日通った会社がいくつもあり、倒産した会社もあったが、なつかしさでいっぱいであった。

 知人のTさんは、自分で企画されたにもかかわらず、次も来ようと言う。まあ、来年になろうが、入善乙女キクザクラが咲く、GW過ぎぐらいにも、企画されるようである。次回はぜひ4人で来たいものだ。

 帰宅後、妙に幸せ感で満たされている。プロデュースしていただいた、知人のTさんに感謝したい。