■指令
まるで早春を彷彿とさせるような陽気になった。道脇の雪も見あげるほどあったが、身長ほどに低くなった。朝一にセカンドオフィスまで歩く。陽射し側を歩かなければ寒い。日陰は凍結している。
常連さん達が入店され、たわいない話で盛り上がる。すると、自分のスマホにLINEが届いた。「じゃがいも5個」という家人からの買い物指令である。家人からの指令は緊急事態宣言よりも重いので最優先で取り組む。昨日は、肉の購入も頼まれており、2か所である。前回、ゆっくりしていたら売り切れていたので、午前中の早いうちに行かないとならない。
常連さんのおひとりから富山銘菓の安いのがあると聞いた。いっしょに買いに行く。
安い理由は、端っこということである。このお菓子は昔出張の時に使った。口の中でシュワ~ッと溶ける世界である。
帰宅し、カードを持って歩く。そうして、その足で2か所目のスーパーに向かう。今回は連続であった。少し疲れが出た。
帰宅後、昼食である。実は、先日あん掛けうどんを作ったが、生姜がチューブのモノだったのでイマイチ風味が足りなく心持たない気持ちをひきずっていた。
今回は、手打ちウドンと生しょうがで作った。
うん。これである。やはりショウガは生でなければ満足しない。ウドンはまだまだであるが、賄いでは我慢である。うどん粉が無くなったら蕎麦一本にする。
歩数は1万8千歩になった。健康のため歩き過ぎには注意したい。
■「死にゆく者の祈り」(中山七里著、新潮社、2019年)を読む。
「生命が脅かされる局面になると、人間は仮面をかなぐり捨てて本性を現す。」
「隔靴掻痒(かっかそうよう)~見たいものが見えず、知りたいことが隠れているのに手を伸ばすことができない。」
「本名を捨てることは俗世での自分を捨てることと同義だ。」
「普段理性的に振る舞っているヤツほど、いったんキレたら抑えが利かなくなる。」
「~僧侶は夕食を摂らない。」
「小さい世界で成功した人間は世間が狭くなる。」
「後悔し、罪悪感に苛まれ、自己嫌悪と恐怖に塗れながら死刑台に上がってほしい。」
「遺族の傷ついた心が癒されるのは唯一、死刑囚の刑が執行された時だけだ」
「~全ての宗教は生きている人間のために存在しています。」
「確かに怠惰な毎日よりは勤勉に生きる方が充実するとはと思います。」
「あなたに心掛けてほしいのは、逃げるのを覚えることです。」
「人の命を効率で考える時点で、もう間違っている。」
「登山経験が豊富な人間ほど道具には拘ります。」
「しかし時に美徳は悪徳に変化します。」
「~やっていることは加害者だけを救って、被害者とその家族を地獄に落とすことよ。」
「山に登ったら親子の縁は切るからね」
「辛さから逃げるために出家した。」
「~この国の司法システムは過ちを認めないのですよ。」
「人間というのは、なかなか上に目線がいかないものです。」
「自分より弱い立場の人間を作らなきゃ不安でしょうがないヤツらだ。」
「死ぬのはただの逃避です。」
「正しい行いは他の誰かにとって脅威になります。」