忘れても

■忘れても

 今日は家人が遅出なので、午前中は自由時間になる。6時前に目が覚めたので朝風呂を浴びて家を出る。歩いているといい気持である。時期的には梅雨であろうが、初夏の気持ちになる。

 セカンドオフィスの近くの信号で、見慣れたおっさんが自転車で止まているのが見えた。この方は、非常識に声が大きい。まあ、本人はそうは思ってないのであろう。行先は同じである。先を越されてはなるものかと速足で歩いたが、自転車には勝てない。ワンツーフィニッシュになった。

 おっさんの後ろに並ぶ。今日は朝食を食べて来ていないのでモーニングセットを頼むことにしている。Aセットである。おっさんが、いつものような大声で「モーニングAセットとアイスコーヒーSサイズ」と注文した。自分と同じであるので、かぶるのがいやなので、こっちはBセットにした。30円高い。

 席に着いてから、図書館へ返却する本を忘れたことを思い出した。最近、物忘れが多い。

 常連さんが2名来店された。沖縄へ旅行へ行かれたらしく、ハブ皮の財布の話で盛り上がる。そして、梅雨が遅れている、大相撲の話題、仕事の話と話題は尽きない。

 今日の昼食は決めていた。ひき肉があるので使わなければならない。朝出るときには、豚バラ3枚を秘伝のタレに浸けて来た。

 今日のメニューはネギ味噌チャーシュー麺である。味噌は、オリジナルブレンドにする。これに、特製スープを加えて出来上がる。

 昨日の桑の実もジャムにした。

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 豚肉は焼き豚なので、焼く。ネギも焼く。味はもう決まっているので自信を持って口にする。まあ、人様にはお出しできないが、自分一人で食べる分は問題ない。いや、なんか足りないと作る順番を頭の中で振り返ると、鳥ガラの入れ忘れであった。まあ、無くてもそこそこ食べられる。

 最初のころは、ボールに全ての調味料などを入れて待機させていたのであるが、洗い物が増えるので、炒めているフライパンにどんどん入れて行くことにしていた。そうして、忘れたのである。

 半分ほど食べた後、コーンも入れ忘れたことに気が付いた。コーンがあるので、スープを最後まで飲めるのである。

 桑の実のジャムはいつも通りである。イチゴのような食感である。「♪くわのみ たべては いろりばた~」

 食後は、マストの昼寝である。扇風機を掛けてなごなる。

 1時間ほど眠ってから裏庭の草むしりでもしようかと、確認してみると一面ドクダミが咲き乱れている。「♪ドクダミの花が 咲いたよ 白い白い 花が咲いたよ~」

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■「よその島」(井上荒野著、中央公論新社、2020年)を読む。

「~老人になると実質的な年齢の差が大きくなるような気がする。」

「動物はからだの具合が悪くなってもぎりぎりまでその素振りを見せない~」

「出来事は起こるべくして起きる。」

「人生に退屈していたからだ。」

「~ようするに老人というものは気儘になるしかないのかもしれないな~」

「ないとわかっているものを探しに行く。」

「俺が小説を書く最大の理由は退屈なんだ。~退屈に慣れてしまった」

「残酷なのは失われないものもある。」