グダグダ登山

■グダグダ登山

 この登山らしい行動は、数日前から始まっていた。この地域にも梅雨明けが宣言され、否応なしにも体は山へと向かう。昔から登山の適期には梅雨明け十日と言われてきた。

 今年ももう7月を過ぎていたが、干支登山をしていなかったことを思い出し、くさのさんと相談していた。いや、どうしても干支登山をしなければならないことはないが、登山の動機を干支にかぶせているだけである。

 今年は丑年なので、牛の付く山を物色しあっていた。くさのさん曰く、赤牛岳はどうかな?ぜんち応える、無理だわ!と。牛岳ではなんだか月並みでやめようとなった。そうすると、対象を県外に求めるしかない。幸い、ステージ1で県外にも出れる。

 なんやかんやで、群馬県の牛伏山に決まった。ここは、美が原から10kmを歩いてくるルートが紹介されていたが、いろいろ調べて見ると、駐車場から30分で登頂できることが分かった。しかし、県外まで行って1時間の登山ではもったいない。

 近くの山をいろいろ調べていたら、1時間ほどの距離に妙義山があった。記録によると2時間半ほどで登頂できるとある。話が決まったのが前日である。

 話の決まりついでに、くさのさんからは、車が代車なのでナビがない、と伝えられた。そんなもの、昭和生まれは、ナビが無い時代に道路地図を車に積んで日本全国走っていたものだ。

 最初は妙義山から始まった。一般道を通るので、運転する人とと地図を見て指示する人に分れて夜明け直後に出発である。

 無料駐車場がいろいろな場所にあった。

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 妙義神社から登山道が延びているとあったので、神社を参拝する。

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 ルートは最高峰の相馬岳にした。牛伏山も控えていることから、2時間半が登りのリミットである。まあ、標高差700mほどなので大丈夫だろう。

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 ここで、左折する。

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 眺望がいい場所があるので、寄り道をする。

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 なんか、トンビ岩のようだ。

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 登山道は急な傾斜はないものの、小刻みに登り下りを繰り返す。累積標高差はかなり大きな数字になるだろうなあ。

 この山は複数の登山ルートがある。自分が選択したのは、樹林帯が大部分のコースであった。

 中には、下の廊下のような場所も通る。

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 金属製のハシゴがある。

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 少し苦しくなったので、ゼリーでエネルギーを補給する。休んでいるとくさのさんから大きなキノコがあると言われ撮る。ヒラタケのようだが正確には分からない。

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 私は、今回は我慢しないで、直ぐに休むことにした。ところが、座っているとヤマヒルに首をかじられた。手で取ると2cmほどの大きさであった。

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 涼しい中を歩いて行くが、それでも汗は体から吹き出し、全身ずぶ濡れ状態である。今日は着替えを2着入れている。低体温症対策であった。

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 見晴らしのいい2番目の場所も見て行こう。

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 今度は、山の中に場違いとも思える大きな金属製の階段が現れた。登って下るまでのルートに全て階段を設えてある。

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 このルートはタルワキ沢ルートと呼ばれており、ここから相馬岳に登頂するのである。ここから標高差400mほどである。ところが、もう2時間も過ぎている。ここを登って2時間降りて1時間とすれば予定の2時間半は越えてしまい、次の工程に響くので、登頂を辞め、もう30分先を歩くことにした。

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 これはありがたい。キチントお詣りをする。

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 ここらで、戻ろうと記念撮影を行う。

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 下山後は昼である。来る途中、かまめしの会社の本社があったので、迷わず向かう。温かい釜めしは旨かった。

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 次いで、本日のメインイベントである。干支登山である。ナビのない車で地図を広げて路線を確定しながら向かう。運転は1時間交代である。ところが、自分がチョンボをやってしまった。登山口のある駐車場が見えたが、そのまま林道を走ってしまい車で登頂してしまったのであった。来てしまったのでどうしようもない。登頂の写真である。こ、こ、これは登山とは言えないなあ。

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 この山はお城を象った展望台があった。ここで、自分に足の痙攣が襲う。

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 帰路である。時間的に松本市内で夕食を食べた方がいいので、寄り道をする。あらかじめ決めていたわけではないが、こじゃれた店に入る。

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 感動であった。今回の旅は食が味方してくれた。定食は2種類あったので、くさのさんと別々の料理を頼み、主菜を半分ずつにしたので、二人とも2種類の料理をいただくことができた。

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 なんと、アイスコーヒーも付いてくる。このコーヒーも日頃飲んでいるのとは違い、深い味わいであった。もうここで、帰るのが嫌になった自分がいた。

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 今回の登山は、冷静に考えれば、準備不足がたたって全て通常の登山とは違う形になった。これをグダグダ登山と呼ぼう。ところが、二人には後悔の念はあまりなく、あまたある感動を与えてくれた山々に感謝している。