走馬灯82

■走馬灯82

 ぜんちの人生は幸せでした。

■「老年という海をゆく」(大井 玄著、みすず書房、2018年)を読む。(その1)

「“意味の世界”は、その人にとり誇りある、一番不安の少ない世界であり、心理状態だ。」

「~治ることのない病であるのを承知しており~」

「夜間の不眠もあった。」

「~不安なく日々の生活を送ることのできるコミュニティでは~認知症と見なされない可能性がある~」

「~失う能力もあるが、獲得する知恵もある~」

「この社会では、独立独歩できなくなったとき、野生の動物がそうであるように、死はそこにあると言ってよい。」

「小欲知足」

「~涼やかな風が頬をなぶる国々は、人生のくつろぎが自分にも必要であることを教えてくれた。」

「~知っていた顔が見かけなくなったと思っていると、いつのまにか亡くなっていたりする。」

「家庭でのケアは、通常、便失禁が始まるときに、限界に達する。」

「~月が一つにまとまるのにかかった時間は、早ければ一か月だったという。」

「万物は流れる」

「“純粋痴呆”とは、認知能力の衰えはあっても、周辺症状のまったくない人たちである。」

「自然の寿命に任せて欲しい」

「手術などの外科的対応を断り、破裂による自然死を希望しておられる。」

「連れ合いの死を見届けたうえで、血管破裂でコロリと死ぬのも自然ではないか。」

坐禅では、導入において、呼吸のひとつひとつに注意を向ける。」

「自然生態系では、突然、予測されない変化が起こる。しかもそれが普通の出来事だという事実は、最近になって、ようやく理解されたことである。」

「老年期の失禁がやるせないのは、やはり、いったん獲得し、長いこと意識するまでもなく身についた機能を失うからだろう。」