徒歩競争

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■徒歩競争
 前に、自分より高齢の男性が歩いている。かがとを上げ気味にして、規則的に歩幅を刻んでいる。
 しかし、歩幅が短いので速度は遅く、自分も遅いのだけれども、自分との距離がだんだんと縮まってくる。
 そして、とうとう並んだ。そのまま抜き去る予定であったが、なんと老人は、速度を上げるではないか。
 1メートル、2メートルと、離されてしまった。
 自分は、別に徒歩競争をしているつもりはない。自然に抜き去ることで考えていた。
 10メートル以上離れてしまい、自分の中では追いつくことは終わっていた。
 こっちは、考えてごとをしながら普通に歩いていたが、視界にあの老人の足元が入って来た。もう、3メートルの距離である。今度は、少し横に離れてから抜き去ろうとした。
 そして、並んだ。今度は、大丈夫かと思ったと同時に、老人は速度を上げた。そして、こっちをチラ見した。
 その顔からは、お前なんかに抜かれてたまるか!という意思が読み取れた。
 こんなんに構っておれないと感じ、次の交差点で信号を渡り反対側を歩いた。

■「人類三千年の幸福論」(ヤマザキマリ著、集英社、2023年)を読む。(その1)

「それでせっかく生き残ったんだから、あとの人生は自分の好きなことだけやろうと決めたんです。」

「芸術を動かす力というのは本当に綺麗事ではないんですよ。」

「~孤独というものは何かを生み出す人の必須条件だと思いますね。」

「ユーモアは自分にはゆとりがある、という顕示にもなりますからね。」

「~健全に過ごすためにはよほどタフでなければならない。」

「人が生きていくのに必要なものには換金性のないものだってあるはずです。」

「テレビもマスコミも信じない~」

「苦しさは乗り越えさえすればメンタルという土壌への良い肥やしにはなってくれる。」

「人生も社会も不確実なものであり~」

「生きていかなければならないのに、自分に必要なものを誰も供給してくれないとき、人は自分を本気で頼るようになる。」

「人々は何かにすがったり信じたりするのをやめる瞬間がどこかであると思うんです。」

「~想像力を豊かにするのは、悲しみと孤独です。」

「人間を突き動かすのはやはり生き延びることへの“業”です。」

「~2050年に石油や石炭がもう尽きてしまうと。」

「今までの勉強をすれば幸せになれるっていう夢の公式は、確実に崩れ去りつつある。」