剣岳トランプ

■「心に吹く風」(宇江佐真理著、文藝春秋、2011年)を読む。
 時代物であった。苦手なジャンルである。三分の一で読むのを辞めた。ゆっくり、味わえば面白いのだろうけれど、どうも漢字が多いのが災いしているのかもしれない。タイトルだけで選んでいるので、こういう失敗もしてしまう。

剣岳トランプ
 それは、小さい茶封筒に入っていた。封筒の口はしっかりと糊付けしてある。なにやら四角い固形物であることは分かった。ある人からのプレゼントとのこと。ウ〜ン。ここで考え込んでしまった。思い当たるフシが皆無である。太い指で封筒の口を開こうとする。こういうものは、ハサミでチョンというわけにはいかないのだ。封をしてある端のわずかな隙間に爪を入れ、丁寧にはがすように開封していく。こころの中は、期待と不安が入り混じったような気持である。
 中から出て来たのは「剣岳トランプ」であった。これは、話題になったので良く知っている。さっそく、一枚一枚めくるも、すぐに釘づけになる。まず、写真を見た後に、文章を読もうとする。こういうのは、何日も掛けてゆっくり味わいながら読みたい。剣岳登頂経験を思い出しながら時間を掛けて読みたい。5枚ほど読んでしまい込んだ。感謝、感動、飴、あられとはこのことである。
 さて、お返しは何にしようか。また、悩みが増えた。