■「名山へのまなざし」(斎藤 潮著、講談社現代新書、2006年)を読む。
 山に対する学術的な考察が少し難しく感じた。とにかく、深いの一言に尽きる。山の形状や古典での解釈、豊富な和歌や宗教など。ここまで研究されているのかとため息が出た。
山を学問にするとこうなるのか。やっぱり歩いて景色に感動している方がいいのか。
 ここで取り上げられている、比叡山伊吹山男体山は機会を作って登っておきたい。
富士山の剣が峰も必須であろうか。今度は0合目から歩いて登頂しなければならない。
地図ソフトのカシミールを駆使しての研究はすごいと感動した。参考文献が約170冊の集大成だけに内容は濃かった。

■絆
 『絆』とくればサマセット・モームであることに異論はあるまい。自分は30%ほどで読むのを断念した。期間を延長し1カ月掛けたが読めなかった。
昨年の世相を表す漢字が「絆」であった。
自分は「水」と考えていたので大外れである。
ほとんどの国民がそう思っているならいい世の中である。
スーパーへ行った。
今安いもの、東北の物である。
スーパーで安売りしているので好んで買っている。
「絆」だと受けのいいことを言っても、東北の物を買い叩いているだけではないのか、と思ってしまうのは自分だけだろうか。
東北土産の南部せんべい、茨城の落花生などを食べている。
ある本の中に書いてあった受け売りだが、80歳ぐらいの作家の方が「汚染された高級牛肉をたらふく食べたい」と書いていた。影響が出てくるまでは、この世とおさらばしているということだが妙に印象に残っている。
所詮、総論賛成・各論反対が現実の姿ではないか。
 自分のこととなると素直になり買わなくなる。人間っていいな。
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