不安商法

■「熟年の自分史」(三浦清一郎著、学文社、2012年)を読む。
 前の方に書かれてあった「人間は『永遠』になりたい動物である」というのは、考えさせられた。歴代の実力者が古墳やピラミッドなど作ったことが例示してある。最近では、自分史であること。自分史図書館や文学賞もあるとは驚いた。これをビジネスチャンス戸とらえて、自費出版の勧誘もあるとか。編集者から先生、先生とおだてられてゴミを作るために蓄えを放出する年配者の哀れも感じるのは自分だけだろうか。
 自分の生前の功績を書物の形で残すと老化も防止になるそうだ。確かに、文章を書くと言う作業は多くのエネルギーを使う。

■不安商法
 各種保険会社を初め、自分のような無知な人間相手に不安をあおり、財産をかすめ取ろうとする世の中になってしまった。人の上前を撥ねる商売が多くなって、それがビジネスモデルだともてはやされている。口先巧みに自分のような善良な庶民をだますことをマーケッティングというらしい。昔、論語で習ったことがあるので、ググってみた。
 「巧言令色、鮮なし仁。」(口先が巧みで、角のない表情をするものに、誠実な人間はほとんどない)
 「剛毅木訥、仁に近し。」(剛毅で飾らぬ人間は、(誠実なのだから)完成した徳をそ
なえたものに近い)
 ああ、嫌な世の中になったものだ。