おい

■「散歩歳時記」(佐伯一麦著、日本経済新聞社、2005年)を読む。
 最近、あまり歩いてないなあという反省と、俳句に興味が移り歳時記を買おうかなどと考えていて手に取った。
 年齢は3歳ほど若い作家であるが、里山の動植物に対する知識には驚かされた。特に鳥も20種程度聞き分けられるとのこと。似たような話もあったが、春夏秋冬のエッセイ約100編は膨大であった。
 ここまでのめり込まないと作品は書けないのであろうとため息一つ。

■おい
 50代や60代の方たちをどう呼べばいいか、いやどう呼ぶべきかという議論がある。大分前にもあったように記憶している。どうも何がなんでもステレオタイプにまとめたいようだ。余計なお世話である。だいたい、50歳を越えて、アンチエイジングだの、「日々忍び寄る高齢化に対抗する」など、無駄な抵抗はしない方がいいというのが自分の考えである。巷では、一日一食で30代に見えるという医者が書いた本も出ている。だからなんなの?そんなに若く見せたいの?年齢相応の自分に自信がないの?とやっかみを入れたくなる。購読しているメールマガジンに記事が載っていたので転載する。
「2004年に慶応義塾大学の研究グループが行った意識調査によれば、男子学生が呼びたい高齢者呼称の上位は、高齢者(36%)、お年寄り(23%)、おじいさん・おばあさん(17%)でした。これに対して高齢男性が呼ばれたい呼称は1位から順に熟年(23%)、高齢者(22%)、お年寄り(17%)でした(女性も同様の傾向だった)。」
 何なのかこの記事は!
 熟年、実年、シニア、アラ環、シルバー、高齢者などと聞こえの良さを繕ってみても、くそじじい、くそばばあと言って見ても、自分は自分である。
もう少しで「この、死に損ないめ!」と言われるような気がしている。