変化への対応

■「バナナ剥きには最適の日々」(円城塔著、早川書房、2012年)を読む。
 読み進むにつれて違和感が際立った。これがSF小説だと分かったのは半分ほど読んでからであった。この分野はほとんど読んでいない。その気で読めばいいのだろうが、どうも苦手なジャンルである。

■変化への対応
 前にもこのブログで書いたことがあるが、「変化」することが正しいことのような風潮がある。私は、そうではない場合が多いと書いたが、ある雑誌で似たような記事があったので貼り付けた。
『1つ注目すべき発見は、「外部環境が変化したら自分自身も根本的に変化すべき」といった神話に対して、10X型企業はそれほど変化していなかったということでした。それはどういうことでしょうか?
 コリンズらはその理由を「SMaC」つまり具体的で(Specific)、整然としており(Methodical)、かつ(and)一貫性(Consistent)のある施策に求めます。最近の言葉で言えば一貫かつ整合性のあるビジネスモデルと言っても良いでしょう。外部環境が変化し、あるいは不確実な場合、外部に合わせようとすれば、自分が振り回されてしまいます。それは「規律」のところでも議論したように、自分の運命を外部にゆだねること、そしてうまくいかなった場合は外部要因を言い訳にすることにつながります。そうではない、自分という「軸」を持つことの大切さを指摘
しているのです。 』
 「変化は一番難しい部分ではないからだ。より難しいのは、何が有効なのかを見極め、なぜ有効なのかを理解した上で、いつ変化すべきか(あるいは変化すべきでないか)を決断することだ」
『結局自社の強みは自社にしかありません。経営書を読んだり、コンサルタントを雇うのもいいのですが、自分が、そして会社の1人ひとりが、自分の強みをよく理解し、またそれをちゃんと共有化しているかどうか、会社を良くするためには、足元から始めなくてはなりません。成功企業や勢いのあったはずのベンチャー企業がいつの間にか失速していくのは、実は顧客のせいでも競争のせいでもなく、自らのアイデンティティーを失うからではないかと思わされます。 』
 「成功の鍵を握っているのは、運に恵まれているかどうかではなく、遭遇した運とどのように向き合うかである」
Chance favors the prepared minds(幸運を生かせるのは準備のあるものだけだ)
 という、パスツールの言葉もまた同じ意味です。
「未来を予測する最高の方法(ひょっとしたら唯一の方法)は、自ら未来を創造することなのだ」 (ドラッカー