半導体業界

■「感じて歩く」(三宮麻由子著、岩波書店、2012年)を読む。
 目の見えない方の本であった。「シーンレス」と呼ぶように提唱されている。しかし、よくこれだけの本が書けたのと驚いた。大学院まで卒業されている。健常者でも難しいのではないか。その努力に頭が下がる。

半導体業界
 経営不振にあえぐ半導体大手、ルネサスエレクトロニクスの早期退職制度への応募が殺到している。当初の募集人員は五千数百人だったが、ふたを開けてみると応募したのはその1.5倍近い7511人。約4万2700人の全社員の約18%が応募するという“人気ぶり”に、退職割増金を異例ともいえる分割払いにするなど、会社にとって想定外ともいえる事態が次々と発生している。
 また、西日本のある工場では、募集人員を大幅にオーバーしたため、11月以降の工場の稼働に支障をきたす懸念が発生。応募者に対して、6ヵ月の短期の再雇用を会社側がお願いするという笑えない事態になっているという。
ある社員は「業績不振とリストラを招いた経営陣に、社員は不安と失望でいっぱい。リストラでも経営陣の見通しは甘すぎる」と嘆いている。

ブラック企業」とは「長期雇用を匂わせるにもかかわらず、労務管理や雇用条件などが原因で多くの人にとって長年勤めることができない企業や法人」を指す(川村遼平「相談活動から見たブラック企業」『労働法律旬報』No.1759+60 2012年1月合併号)。具体的には、長時間労働や過剰なノルマによって心の病気になるまで働かせる「使い切り型」、たくさん採用し、「使える人材」だけを残して他は辞めさせていく「選別型」、パワハラ上司を会社が放置しているといった「職場統治不全型」に分けられるという(今野晴貴・川村遼平『ブラック企業に負けない
旬報社、2011年)。