退職金運用

■「死者のいた場所」(松井 計著、扶桑社、2012年)を読む。
 同年代である。これは小説ではなくノンフィクションである。著者自身ホームレス寸前になった経験があったり、死の淵まで行きかけたところ偶然にも救急車で搬送された経験から『死』をテーマに採ったのだろう。餓死者については、ときどきマスコミに登場するが年間で70人が餓死している。孤独死、介護死についてもインタビューしながら独自に主張を展開している。日本では、毎日5万人の途上国の人達の食べる分を廃棄している。このような国でも多くの人たちが餓死している。餓死寸前で助かった人へのインタビューで著者が生活保護は受けないのかと聞いた場面があった。その人は、申請する気がなくなるという。お金が無い時におごってもらうことが出来にくく、お金がある時は喜んでおごってもらえるという気持ちに例えていた。介護のために離職した人も14万人もいる。
 中には前向きな介護を目指している人もいた。今、自分に降りかかっている。まだ、そういう風には慣れないが、精いっぱいのことはしたいと考えている。

■退職金運用
日経新聞からの抜粋である。
「当面、何もしないことにしました。いまの自分には向いていないですから」。先日、退職金が銀行に振り込まれた60歳の男性Aさんは、まとまったお金をどう運用すべきか考えた結果、こう決断しました。
1人で過ごす時間が増えるなか「そもそも昔ほどお金を使わなくなった自分がいる」ことにも気付き、「物価が急上昇でもしない限り『運用』を急ぐ理由はない。少しずつ勉強してみよう」と現時点での結論が出たそうです。
Aさんの話から学べることは、
(1)納得がいかない買い物はしない
(2)自分を知る
(3)結論を急がない
――の3点でしょう。