改正高年齢者雇用安定法

■「流離の時代」(辻井 たかし著、幻戯書房、2012年)を読む。
 少し難解で同じページを何回も読んでいたが、最後まで読み通せた。気になったところだけ書き留めることにしたい。発行者は辺見じゅん氏であった。
「『本は私の大学だ』・・・本こそ、わが師であり・・・」
「・・・当時は死に至る病であった結核に冒されるということがあった。僕にとっての『生への帰還』は詩を書くことによって行われた。」
「僕は偉くなるつもり可能性もないが、それでいて手帳を持たない生活に憧れている。」
「・・・もっとも大きかったのは、父親のいない子供として差別される立場にあったことが影響している・・・」
「『今まで生きて来られて最も愉快と思われたことは何ですか』の質問に・・・『それは隣の金持ちの家が火事になったことだ』」
「消費者が自分の生活を豊かにするために消費社会を活用するのではなく、周囲の雰囲気に押されて消費させられる感じで生まれてきたのである。」

■改正高年齢者雇用安定法の悪影響
あるブログ(産経ニュース)からの引用である。
 この4月より「改正高年齢者雇用安定法」が試行される。
厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳へと引き上げられるのに対応し、
60歳の定年後、無収入となる事態を避けるため、定年後も希望者すべての継続雇用が企業に義務づけられる。
経団連では、継続雇用者の割合が現状の74%から5年間で90%に高まると想定、企業が支払う賃金総額は2%増えると試算している。
企業は、この増える賃金の原資をどう捻出するかで動き出している。
その一つは、60歳定年前の50代でクビを切るという方法だ。
社会的にイメージは悪いが、そうも言っていられないのが現状であり、
これまで見てきたように、早期に自主退職を促す陰湿なリストラ策を大手も断行している。
もう一つが、現役世代の人件費削減である。
NTTは、この10月から賃金カーブを見直す新制度を導入する。
この制度は、40歳前後の社員から適用され、基本給の割合を減らす一方、成果や業績に応じた手当を従来より拡大し、成果次第で社員の賃金カーブに従来以上の開きが出るようにする。成果が高ければカーブは今より高めに推移するが、逆に下ぶれする社員もおり、トータルでは上昇を抑制する仕組みとなっている。
また、トヨタ自動車は、現役時代から一定額を毎月積み立てて定年後に支給する制度を議論しているという。
いずれにしても、高齢者の採用により、若者の雇用の機会を奪う可能性は高い。
したがって、この改正高年齢者雇用安定法は、全世代に影響を及ぼし、
収入減少へとつながり、個人消費への落ち込ませる懸念があるのだ。
高齢化社会と年金制度財源問題は、確実に貴方の生活の土台を揺るがす事態を招くのである・・・。
(参照 産経ニュース 1月13日より)