デフレからの脱却

■「人生の終いじたく」(中村メイコ著、青春出版社、2010年)を読む。
 予約してから2年ほど経って読むことが出来た。著者の遺言という書き出しであった。家族のこと友人のこととのエピソードが明るく書かれてある。しかし、それが悲しさを誘っていると思う心はなんだろうか。70歳である。まだまだ元気でいてほしい。

■デフレからの脱却
 日経ビジネスからの抜粋である。
「製造業の復活と言う人がいますが、私にはなかなか理解できないですね。日本で作って海外に持っていくのは、今の仕組みからするとほとんど成り立たないと思います。家電メーカーの現状がそれを物語っています。自動車も10年後には同じ状況になる可能性があります。新興国が近代化に成功するには、雇用を自国で増やして中間層を生み出すことが必要ですから、新興国現地生産化を求めると思います。
 あらゆるものが過剰になっているのです。本来ならば、望ましい段階に到達したはずです。国連の統計では、1人当たりのストックでは日本は米国を上回ります。さらに成長しようというのは、身の回りのストックをもっと増やそうということです。
 1つの解は近代システムが間違っているということです。ありとあらゆるものを増やしても皆が豊かになれないというのはおかしいですから。
経済的にはゼロ成長で十分だと思います。よく経営者は「成長戦略は実行あるのみ」という言い方をしますが、近代システムを強化して売り上げが伸びるような仕組みであれば、それでもいいのでしょう。しかし、売り上げが伸びるのはあくまで海外です。
 デフレからは脱却できないでしょう。そもそも成長できなくなったという前提でどうするかを考えなければいけないのです。
 経営者の失敗なのに、最近になると六重苦といって円高のせいにしていますよね。」