自営業者の自殺

■「脱獄者は白い夢を見る」(壇上志保著、新潮社、2012年)を読む。
 悲しい話であった。作者の経験がベースになっているだろうが、章ごとに話のつながりが分からず、良く分からなかった。女子刑務所の中の話で、主人公の私は無実の罪で投獄されたのか、高校卒業後に刑務官になったのか、ごちゃごちゃになってしまった。似たような記述もあり、すこしがっかりもした。何か、小説のタッチのようなものが分かったような感想だ。

■自営業者の自殺
あるブログからの抜粋である。
みずから起業した自営業者は、自殺の要因が起きてから、自殺にいたるまでの年月がもっとも短い―――こんな事実が、NPOによる自殺者遺族への聞き取り調査で明らかになった。主婦の場合より4倍近く短いという。
NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」は精神科医ら専門家とともにまとめた「自殺実態白書」を2013年2月28日、発表した。
バブル崩壊後は経営が急速に悪化。請け負った工事の代金が支払われなくなり、資金繰りに窮するようになった。元々融資してくれていた金融機関も応じてくれなくなり、ノンバンクの商工ローンなどからの借り入れも増えていった。連帯保証人になっていた同僚企業や親会社の倒産も相次ぎ、その督促も受けるようになる。半年ほどは巻き返そうと営業活動を続けていたが、督促の電話を受けていた妻が先に精神的に参ってしまい入院。とうとう5人いた従業員を解雇した。
その後は仕事をせずに家で過ごすことが多くなり、口数も減っていった。資金繰りに窮するようになってから約1年後、会社事務所で自死消費者金融などからの借り入れも含む数千万円の借用書がそろえてあり、遺書には保険金で精算するよう記してあった。以前から連鎖倒産を呼びかねない自己破産には消極的で、『いざとなれば生命保険がある』と言っていた」