日本の貧困

■「しがみつかない生き方」(香山リカ著、幻冬舎、2009年)を読む。
 これは過去に読んでいる。しかし、覚えているところは少なく忘れている方が多かった。
「戦時下でもないのに、ごく当たり前の幸せが欲しいと言う、そんな望みも叶えられない社会が、有史以来、ほかにあったであろうか。」
「日本の社会は他人のことに思いを馳せる余裕がなくなり、自分のことしか考えないメンタリティが強くなった」
「人間の狭量化が進んだ」
「『F1』と言う言葉は二十歳から三十四歳の女性」
「長生きでごめんなさい」
「私は基本的にはパンのために働いている」
「生まれた意味や目的なんて、あまりはっきりしていない方が幸せなのだ」
「いずれにしても『絶望する人』は昔も今も決して特殊な存在ではないということだ」

■日本の貧困
日経ビジネスからの抜粋である。
「今も日本には貧困はなく、機会の平等もかなり担保されていると考えている人もいるのではないだろうか。しかし、データは静かにそれに対して疑問を投げかける。日本の貧困は、多くの人が思っている以上に深刻であり、それはゆっくりと、しかし確実に増えている。先日、「子どもにもっといいものを食べさせたかった」と書き置きを残して母と子が餓死するという痛ましい事件があったが、現状が続くのであれば、そういった出来事は今後も起こり続けるだろう。
日本でこのように貧困率が高まった理由として、次のように述べている
失われた年代とされる不景気が深刻だった。失業者の数が多かったし、働いている人の賃金も減少した
企業はリストラ政策の一環として、パート労働者、派遣社員契約社員といった非正規労働者の数を増加させた。今では全労働者のうち約4割が、(一部の人は意に反して)この形態で働いている。正規労働者と比較して、これらの人の労働条件は劣っている
少子・高齢化と低経済成長により、年金・医療・介護といった社会保険制度は負担のアップと給付の削減策が取られ続けてきたので、可処分所得をより減らした
高齢単身者、母子家庭、一部の若者の貧困が目立つ時代となった。」