日本の貧困率

■「クルマを捨てて歩く!」(杉田 聡著、講談社+α新書、2001年)を読む。
 なかなかいい本である。反面、この本のように歩く人が増えると、今ほとんど歩道は独占状態であるのが、混雑するのも困るなあ。
 車ばかり乗っている人は、どんどん浪費してもらい経済効果を上げてもらいたい、そして早く寝たきりになって、アルツハイマーになると思っているのは自分だけか。
 まあ、自己責任と思っているが・・・・。
「クルマに乗らないと、毎日がなんと気持ちよく過ぎていくことか!」
「クルマは時間を無駄にする道具」
「ルソーは歩きながら本を読む習慣があった」
「毎日の通勤電車の中で勉強し、司法試験に合格」
「クルマありとクルマなしの資産差額は、9700万円」
「駐車場を家庭菜園に作り替える」
「一日約30分のサイクリングや歩行は『心症患にかかるリスクを半減』させ、その効果は『禁煙に相当する』といいます。また、『糖尿病にかかるリスクを半減させ』、降圧剤を使った場合と同じく『血圧を下げる』効果がある。」
「歩くようになったら、風邪をひきにくくなった。」
「歩くことを中心に生活する」
「冬でも特別な防寒着を着ません。」

■日本の貧困率
日経ビジネスからの抜粋である。
 「今も日本には貧困はなく、機会の平等もかなり担保されていると考えている人もいるのではないだろうか。しかし、データは静かにそれに対して疑問を投げかける。日本の貧困は、多くの人が思っている以上に深刻であり、それはゆっくりと、しかし確実に増えている。先日、「子どもにもっといいものを食べさせたかった」と書き置きを残して母と子が餓死するという痛ましい事件があったが、現状が続くのであれば、そういった出来事は今後も起こり続けるだろう。
 OECDに加盟している先進国の貧困率は平均して10.7%なのに対し、主要8カ国(G8、ただしデータのないロシアを除く)における貧困率第1位はアメリカ(17.1%)だが、日本は第2位(14.9%)だった。「日本のように中間層が多い国では相対的貧困率は高くなりがちである」と言う人もいるが、決して低い水準とはいえないだろう。
 なぜこのような状態になっているのだろう。同志社大学橘木俊詔教授は、日本でこのように貧困率が高まった理由として、次のように述べている(出所はLiving in Peace主催のフォーラムにおける同教授の講演資料)。
失われた年代とされる不景気が深刻だった。失業者の数が多かったし、働いている人の賃金も減少した
企業はリストラ政策の一環として、パート労働者、派遣社員契約社員といった非正規労働者の数を増加させた。今では全労働者のうち約4割が、(一部の人は意に反して)この形態で働いている。正規労働者と比較して、これらの人の労働条件は劣っている
少子・高齢化と低経済成長により、年金・医療・介護といった社会保険制度は負担のアップと給付の削減策が取られ続けてきたので、可処分所得をより減らした
高齢単身者、母子家庭、一部の若者の貧困が目立つ時代となった
貧困と格差の固定化(次回に述べる)は、長期的には国の活力を奪っていくとともに、政治不安の温床にもなる。公平性の観点からのみならず、持続的な経済成長のための長期投資の観点からも、このような現状は変えていく必要があるのではないだろうか。」