生き生き現役

■「五十歳からの自由旅行」(奥田継夫著、新潮OH文庫、2002年)を読む。
 どのような職業の方かと思いながら読み進んでいた。映画の話が出てくるのでこっち関係かと思ったら、最後の方で、童話作家と分かった。
 どこかの海岸での話で、若い女性全員の全てがトップレスで、1ページ分すべて「乳、乳・・・」の文字で埋められており、その感動がよく伝わった。
『海外は50歳から』
「行き当たりばったり、出たとこ勝負、ホテルの予約なし、スケジュールもろくに立てないのが自由旅行の醍醐味。」
「タクシーの運転手はホテル探しには適役である。」
「海外で向こうから声がかかる場合、まず金がらみと考える方が無難」
オリエント急行
「インドは辛い、朝から晩までカレーを食べることになる」
「歯磨き粉を付けないで磨くことだ」
「日本語をしゃべる人は相手にしない。」
「僕の旅行記は依頼されて書いたものではない。」

■生き生き現役
週間ダイヤモンドからの抜粋である。
「役職定年や実定年期にあっても、新たな役割を前向きに受け止め、自分の活躍場所を楽しむ「生き生き現役」人材について、実際にこのような理想的タイプの方がどれくらいいるのか、また彼らは何が違ってそんなに活躍できているのか、他の働き方をする人との明暗を分けたものは何かも紹介したい。
  このタイプの方は、役定により肩書を返上したあと、その時期の役割を果たし終えた感覚をもち、管理職に未練を残さない。自己の役割は、後輩にたすきを渡したと実感できる人だ。たすきを渡した自分は、肩書や立場はどうあれ、次の役割の中でまた、一生懸命頑張る。常に人の役に立とうとする人だ。
個人的な栄進よりも、組織のために自己の役割でなし得ることを考える組織想いの人であり、組織と自分の関係も客観視できるので、役職定年の制度理解と自分の身の処し方について相当のわきまえを持っているので、肩書が外れても、これまで見てきたタイプのような屈折した思いや、ショックは少ない。仕事での燃焼感を感じているので、さほど管理職に未練もない。
このタイプに共通する価値観として、組織の中で働く人の美しさがある。組織は個人を超えたものであり、組織によって個人は生かされている。競いながらも協働しあう、個人は所属する組織のために精いっぱい働くことをある種の美学と捉えている。そして、それが果たせなくなった時には、引き際の綺麗さを大事にし、静かに去る覚悟ができている。
*価値観:組織のあるべき姿を追う。自分の存在感を誇示するのではなく、組織のために自己の役割で何をなすべきかを考え、行動しようとする。根っからの組織人。ホドホド現役人材と似た点はあるが、役割の受止め方が深く、自己コントロールができる。組織人としての意識・行動の美学がある。
*人間関係:高いヒューマンスキルを活かし、上下左右の人間関係作りもうまく、部下の育成や面倒見もよい。深い人間関係を保ちながらも、それに過度に依存しない。
*役職定年の受入れ:会社が決めた制度として、自然な形で受け容れる。自分の経験や能力をわきまえており、それが生かされればよし、そうでない場合も、またその役割に応じた目標を作ればよい、くらいに考えあまり、仕事の希望にこだわらない。
 生き生き現役の方は、マネジメント・現場実務・人間関係能力に優れたスキルや人脈を持った方が多くまた、教え上手なので、勉強会などを開催して、現場での若手指導や、業務改善などのプロジェクトにおいて組織の課題解決の知恵者・アドバイザーとして活用する。」