自殺そそのかし

■「それでもわたしは山に登る」(田部井淳子著、文藝春秋、2013年)を読む。
 読んでいて涙が出て来た。しかし、逆にそのファイトに励まされたようだ。
「山に登る人は病気にならないと思っている人も多いがそれもない。」
「あの恐怖から立ち直るまでに十数年の年月がかかった」
「一緒に来た仲間に『あなたは無理です』と告げるのはつらいことだ。」
「その瞬間、体に異変を感じた。何かが入ってきた、という感じである。」
「山の中で今日は行かないほうがよいと直感したことは何度かある。」
「万一、今すぐこの世にさよならすることになっても、あまり悔いることはないなと思った。」
「桜を見るたび、あと何回見られるだろうかと思う。」
「焦るでない。受け入れろ。受けて立て。」
「ベッドでじっとしていても一日、がんばって自然の中を歩くのも一日。」
「密度濃く一日一日を過ごせば、五年の倍の長さを味わうことが出来るかもしれない。」
視野狭窄で見えているのは正面だけ、次第に見えなくなるのは分かっている。見えているうちに日本一の富士山に行ってみたい」
「考えるだけで元気が出る。あと何年かはこうして先へ、先への計画にワクワクしたいと思う。」
「これから起こる未知のことを心配するより、今、目の前にあるものを一つ一つ乗り越えていくことが大事なのだ。」
「自分の体力に応じた山に行ってみたい。」
「それはないな、ダイジョウブだ」
「歩くことが生きることだ。」

■自殺そそのかし
毎日新聞からの引用である。
「お願いだから死んでくれ」などと、交際相手に自殺をそそのかした疑いです。
 慶応義塾大学法学部3年の渡辺泰周容疑者(21)は去年11月、交際相手の女性(21)に「お願いだから死んでくれ」「手首切るより、飛び降りれば死ねるじゃん」などと、無料通信アプリ「LINE」でメッセージを送り、自殺をそそのかした疑いが持たれています。警視庁によりますと、女性は約9時間後、自宅マンションの8階から飛び降り自殺しました。渡辺容疑者は、女性に別の交際相手ができたことを知ってメッセージを送ったとみられ、容疑を認めています。女性の部屋には、「お母さん、お父さん親孝行できずにすいません」と書かれた遺書が残されていました