出杭力・道程力・造山力

■創作
 ◎寒空で凧たこ揚がれ消費税      禅智
 春一番が吹いた。今日は風も少なく日差しも出ているので、温かい春の陽気である。しかし、寒空と詠んでいるのは、外気温の事ではなく、心の内のことである。
 4月から消費税が8%になることに対する対応は、心の準備も含めて昨年に終わっており、今からは10%への対策を考えて実行してかなければならない。そんなとき、童謡の「凧の歌」が思い浮かんで来た。この中に出てくる歌詞は「雲まで揚がれ 天まで揚がれ」であり、まさに「10%(ten)」まで揚がれと言っている。勿論、アイロニーである。
 この季節、熊が出没するのか新聞やニュースで「ベア、ベア」と報じている。ベアは出会いたくは無いので山に潜んでおいて欲しい。このようなマスコミを通じて浪費を刺激する陽動作戦にはもうひっかからないぞ!
 歩いていて一番注意が行くものは丸い金属である。ほとんどが、ゲームセンターのコインや瓶の内蓋が多いが、今日は100円玉一つ、しばらく歩いて1円玉一つ拾った。昼食代が浮いたのが嬉しい。

■出杭力・道程力・造山力
日経ビジネスからの引用である。
まず「出杭力」というのは、出る杭は打たれるということ。日本に限ったことじゃない。出る杭が打たれるのは世界共通です。優秀で飛び抜けていればいるほど、前後左右、あらゆる角度から打たれる、打たれる。だから、生き延びるためには、誰にも打たれないところまで出過ぎちゃえばいい。強い信念を持って、誰も打つことができないくらい出てしまう。その力をつけることこそが重要なんです。
 2つ目の「道程力」については、僕の前に道はない、僕の後に道はできるということ。まさに先ほどの高村光太郎の詩からもらいました(笑)。要するに自分で道を切り拓いていくということです
最後の「造山力」は僕自身のMIT での生存競争を生き延びた実体験から生まれた言葉です。僕がMITに行った時は、前人未到の山を登ろうと思っていた。ところが結局、そこに山などありませんでした。すべき仕事は山に登るのではなく、まず登るべき山を創ることでした。
 まず「屈辱感」。最初は誰もがいわゆる「馬の骨」なわけです。誰も相手にしてくれない。そんなときの悔しさを貯金しておいて、そのマイナスを、何とかしてプラスに変える。これが「屈辱感」です。たとえば、いい男にふられた時、「いい女になって、いつか後悔させてみせる」。屈辱は生のエネルギーでもあるんです。
 2つ目は「飢餓感」。これを持っていないと、目の前にチャンスがあっても見えないから。結果、チャンスに食らいつけない。生物として「飢餓感」を持っていることは絶対条件だと言っていい。「飢餓感」がなくなったら、人としての成長は止まってしまうのです。
 最後は「孤高感」です。本当に新しいものを創造する境地に達する瞬間。その瞬間は、クリエイティブであればあるほど、誰にも理解ができません。つまり賛同者がその時点ではいない。結果、論文も通らない、賞も取れない、ファンドも付かない、売れない、という状況に陥ります。やっぱり俺が間違っているんだろうか、と孤独に苛まされる。その孤独に耐えて突き抜けてみる。それが「孤高感」です。本当にクリエイティブなものを生むためには、真の孤独に耐えなければいけないのです。
圧倒的に個人が問われる時代になった時に、ただ会社員でいるだけでは、何の優位性にもならない。企業名も肩書きもなくなった時に、個人として何ができるのか、どんな個性があるのか、そここそが問われてくるわけです。
「ハングリーでなければ、何が食べたいのか、何がチャンスなのかもわからない」。前にも触れたように、まずはハイレベルな知的飢餓感を持つことです。そして、思い切って踏み出してみる、突出してみる。まだ生まれてこない道を、孤独に耐えながら全力疾走してみることです。「出杭力」「道程力」「造山力」の3つです。忘れないでくださいね。
そこにあるのは漆黒の闇と、遠くに光る星だけです。つらくさみしい。でもそこがで輝く小さな星。その星こそが「ビジョン」なのです。