折立遊歩道

■折立遊歩道
 予定では、今頃は太郎平小屋で談笑しているはずであった。今回もリタイヤであった。人は、何かを諦める時は急にそうなる場合もあるかもしれないが、だんだんと目的が達せられなくなってついに決心するということの方が多いと思う。
 まっちーさんと弟さんと三人で雲の平縦走を計画していた。全部山小屋泊りで一日の行動時間も5時間〜8時間と余裕を持って計画した。登山計画書も作成した。
 朝6時半ごろに有峰林道を通過したが、有峰ビジターセンター前で渋滞になる。車が止められて係り員から説明を受けているためであった。その説明によると、折立駐車場が満員のため、ここから歩いて行って欲しいということであった。説明を聞いてUターンにする車もあった。こういうことは、料金所で説明すべきであろう。通行料1900円を取って、残念でしたというのはモラルに反すると思う。また、山を食い物にする輩と搾取される善良な登山者を目の当たりに見て、トーンダウンしてしまった。

 車道を歩けば4kmほどであるが、折立遊歩道を使えば2.5kmという説明であった。時間はほぼ同じである。要するに1時間30分ほど山越えをしていけということであった。

 遊歩道といえ、登山道と変わらない。ここで、奇跡が起きた。途中休んでいると、緑のウエアに包まれた女性が前を通る。帽子をかぶっていたが、その身のこなしで直ぐに分かった。のの☆さんであった。単独行で北ノ又岳までの下見に来たという。元気だねえ。石川県から早朝高速を飛ばしてきたという。少し話しながらであったが、こっちがばててしまい先へ行ってもらった。
 汗防止にタオルを頭に巻いていたが、絞れば滴るほどの量がでおり、ウエアもベタベタである。乾燥以上に発汗するのでこうなる。要するに無理なのである。
 途中でリタイヤを決めた。気力でゴールの折立登山口まで進む。

 だいたい1時間30分で着いたが、ここからさらに5時間登る気力はなかった。
標識が新しくなっている。
 集合写真だけ撮って、二人と別れた。ちょうどバスが出ているのでここから帰宅した。

 もう、登山はできないとこれで何度思っただろう。今月、あと2座控えているが、ダメもとでも行こうかどうしようか、まだ迷っている。