晩秋

■晩秋
◎晩秋に恥かき重ねた人生(とき)思う    禅智
 祝日の出勤日、台風前のためなのか、空一面曇りであった。道路は空いておりいい気分で歩く。この暗さは日本海側特有だろうか? どんよりとしている。
 この暗さはもうすぐ、冬が来ることを暗示しているようだ。
これまで、たくさん恥をかきながら生きて来たが、だんだん人生の終点が近づくにつれ、つまらない通り一遍の人生に比べれば、それもいいんじゃないか、などと自分に言い訳しつつの通勤路であった。
 午後から雨が降って来た。台風は夜から朝にかけて最接近するようだ。しかし、接近前から暴風雨になることは常識であるので、早めに帰宅させてもらった。
 久しぶりに早く帰り、部屋でゆっくり本を読みながらNHKの台風ニュースを聞いている。
 そろそろ風呂でも入ろうか。最近、頭に来ているのが風呂の水位である。節約なのか、半身浴なのかわからないが、半分の目盛より下に設定してある。これでは、図体の大きな自分は全身浸かれないことになる。最近は、ボイラーを入れるより先に水位のメモリを上げておくようにしている。