キノコ

■キノコ
◎道端の濡れたキノコに顔ゆがむ  禅智
 台風が上陸しているようだが、朝方は小雨程度であった。風がなければ雨の日の歩きはさほど気にならない。
 鳥がいない。カラスもハトもサギさえもいない。スズメが3羽ほど見かけただけだ。
異変があると分かるのだろうか。そいうえば、船が沈没するときに真っ先に逃げるのがネズミだという。しかし、船の上で逃げても無駄なのにとその時に思ったことを思い出す。
 今朝の朝刊にマツタケ収穫の写真が載っていた。自分はまだ、自然のマツタケを見たことがない。 
 松の木の下にキノコが生えている。こう書くとマツタケと思うが、松はアカマツではなくクロマツである。

 別の場所に大きなかたまりがあった。雨で濡れてまるでナメコのようだ。時間があれば傘の裏も確認して同定したかったが、朝の通勤時間帯なので、心の余裕はなかった。


 昼からは青空である。秋らしい白い雲がポカリポカリと浮かんでいる。夕方も青空に白い雲、ニュースでは大雨の情報を報じている。
 今回の台風は、カーブではなく、シュートであった。日本列島横断というのも最近は記憶がない。

■「不良定年」(嵐山光三郎著、新講社、2005年)を読む。
「老人が強いのは、死ぬことをおそれないからである」
「定年後の最大の壁は収入の金額ではなく、人間としての尊厳である。」
「男の甲斐性とは、男のドレイ化を意味する」
「男は定年後も金を稼がなくてはいけない」
「無断で、家に帰らない日をつくれ」
「貧乏会社でじっと耐えてきた人間は、定年など怖くはない」
「定年後こそ、贅沢をして上等の服を身に着ける〜」
「淋しさを食って生きる」
「競争しない」
「テーマを持たない」
西行が出家したのは、悟りではなく保身であった」
「会社を辞めてから〜ひたすら眠っていた」
「無常であるがゆえに楽しい」
「雨ニモ負ケタ、風ニモ負ケタ、ま、しょうがないや」
「自分に負けてから不良定年がはじまる」
「定年後、することがなくなったオヤジを、濡れ落ち葉という」
「不良定年によるコツは、〜風に舞う落ち葉にある。会社より世間、〜上り坂より下り坂〜孫より自分、〜再就職より自由時間〜自立より孤立〜」
「できないと知りつつ年の計を書き」(グータラ)
「〜中身が薄く、値段だけ高い。店に入っても感動というものがない。マニュアル化したサービスと、こけおどしの料理ばかりだ」
「ボロを着てれば心もボロだ」
「菫程な小さな人に生まれたし」(夏目漱石
「風に吹かれつつ、空気にとろけるように眠るのは、まことに快適で、不良定年の快楽はこれにつきる」
年金生活者がひと晩で五千円使うのはけっこう命がけである」
「不便がいいのだ。無駄な時間にダイゴ味がある」
「ケイタイは戦後最強の新興宗教である」
「善人定年となるなかれ」