腹が鳴る

■腹が鳴る
 朝目が覚めると、異様に寒い。こういう日は家にいるに限る。朝食後、雪が降って来て道路は真っ白である。ますます、出たくなくなってくる。
 しかし、失業者で療養中の身であり、贅沢は言っておられない。着替えて外出する。気温は低かったが、幸い風が弱く傘でも問題はなかった。
 2kmほど歩いたところで、その寒さに危険を感じ、コーヒーショップで暖を取る。そういえば、夏山の服装である。ダウンは2着ほど持っているはずだが、探すのが面倒である。
 15時ごろに「グ〜」と腹が鳴る。昼食は抜いている。何かの本に、この腹が鳴ることが老化を防ぐことになると書いてあったように記憶しており、大歓迎である。別に、食べなくても支障はない。

■「春を背負って」(笹本稜平著、文芸春秋、2011年)を読む。
「夢が目映(まばゆ)いのはそれを追い求めているときだけで、手にしたとたんに輝きは失われるものらしい。」
「すべてを自分の手柄のように語る上司の姿をみて、〜プライドも意欲も一挙に崩れ去った。」
「与えられた運命に逆らったって、得することなんかないー」
「交通費や小屋代のもとを取ろうと、天気や体調が思わしくなくても、無茶して遭難する貧乏性の登山者が多い」
「低体温症は不整脈心室細動の引き金になりかねない。」
「登山道が荒れる原因として最近気になるのがダブルストックだ。」
「欲はかかない、頑張らない。」
「〜人生で大事なものは、山登りと同じで、自分の二本の足でどこまであるけるか、自分自身に問うことなんかじゃないかね。」
「生きるのって、自分のためだけじゃない〜」
「〜生きるために必要な空気〜」
「〜人生をサボっている」
「人生の山道を自分の足で一歩一歩登り詰める。」
「人間だれでも素っ裸で生まれてきて、あの世へだって手ぶらでいくしかない。それが本来自然の姿で、金やら物やら名声やらを溜め込めば、それだけ人生が重荷になっていく」
「〜自然治癒力が低下するといって薬の類をほとんど口にしない。」
「医者なんて嘘つきだから信用できないよ。あいつら高い薬を使わせるために正常な人間を病人にして、治療してるふりをして寿命を縮めてるんだよ」
「100パーセントの成功率でない限り、必ず貧乏くじを引く者がいる。」
「人間が本当に自分を取り戻せるのは死ぬときくらい〜」
「人間は怠け者で、ほっときゃいくらでも楽なほうに流れていく。」
「不幸ってのは人間を育てる肥しなのかもしれない」