草むしり

■草むしり
 朝指令が下る。実家の草を抜いてもらたいと言うことである。現在誰も住んでいないが、みっともないということの他に、蚊が発生する温床になって近所迷惑ということが大きいようだ。
 こっちも負けじと鎌はあるかと宣えば、手でむしればと返ってくる。ということはこれは除草ではなく、草むしりということにした方がいい。
 さっそく、軍手をはめゴミ袋を持って向かった。歩いて5歩の距離である。朝が早かったので近所の方の通勤時間と重なり、何回も挨拶をする。
 先日見た植物図鑑という映画の中のセリフで、昭和天皇の言葉として、雑草という植物はなく、みな名前が付いているというのがあった。この本で知ったのだろうか。
 また、テレビを見ているとどこかで聞いたような歌を歌っている集団がいた。フラワーという英文字の名前であったが、この歌が植物図鑑の主題歌であった。
 手で引き抜くのでどうしても『エエイ、雑草め!』という気持ちが立ち上がってきてしまう。どうせなら、名前を調べながらやろうと前向きになった。
 エエイ、スギナめ!エエイ、ヘクソカズラめ!エエイ、ドクダミめ!エエイ、カヤツリグサめ!エエイ、セイヨウタンボボめ!エエイ、ヤブカンゾウめ!エエイ、オシヒバめ!エエイ、オオアレチノギクめ!エエイ、ツメクサめ!エエイ、イヌビエめ。
 ゴミ袋が2つになり、玉の汗が吹き出した。シャワーで冷水を浴びてしばし休む。
 家人から声がかかる、携帯電話の契約と買い物である。休み暇もなく、ハイハイと運転する。
 今日は暑く、エアコンの部屋で心行くまで昼寝である。