地底探検

■地底探検
 今は21世紀である。そして、ここは平和ボケしている日本である。
 今日はエリトラの会(昆虫愛好家の集まり)主催の特別企画であった。私は疑心暗偽で参加した。頭の中では先日の鍾乳洞のように山の洞窟を入るのかと考えていた。
 一行が集まったのは、オオイヌノフグリが咲いていたり、遠くに野鳥のさえずりや小川のせせらぎが聞こえる、のどかな田園地帯である。
 場所は非公開という条件が付いていた。
 説明していただくAさんの自宅に自家用車を止めた。周りは山である。あそこまで歩くのかと思って着いて行くと50mも行かないうちに着いた。
 中は、真っ暗なのでヘッドライト長靴である。最初はあまりのことに声がでなかった。写真が撮れるか不安であったが、何とか撮れた。

 防空壕か何かか?高さは2mほどあるが、多少高い低いがある。そして、説明を聞いてびっくりである。このような地下道が約40kmの長さで、縦横無尽に張り巡らされているという。そして、ここが珪藻土産出の坑道ということが分かった。それにしても誰がいつ掘ったんだろう。全て手彫りである。換気のための穴や水路までついている。
 会の主催者のMさんは、500mの荷造り用のロープを引き出しながら進んでいる。これが無いと、確実に迷う。
 そして、これに驚いてはいけない。この会の目的はコウモリの観察であった。

 コウモリが数匹点々とぶら下がっている。さて種類は何か。と、つまんで広げる。

 暗闇で撮影はこんな形になったが、キクガシラコウモリのようだ。フラッシュのボタンが分からず困ってしまった。確認しておくべきであった。フラッシュなしでの撮影である。つまり、露出が自動で長くなっているのでブレル。
 壁には、銀色に輝く粒が見える。貧乏人の性で、これは銀の鉱石ではないかと考えてしまう。

 手で触って見ると水滴であった。こんな水滴ができるメカニズムは何だろうなどと考えて見るが、直ぐにスルーする。頭を2回ほどぶつけたが、酷く痛くはない。
 珪藻土なのでこのように手でも取れる。

 地下道の中にはコウモリばかりではなかった。カマドウマの群れである。

 だいぶ歩いたと思ったが300mほどであった。これが40kmとは・・・・・。
 出てきたところで集合写真である。自分は写っていない。

 この場所のきっかけをうかがったら、何と造園学校時代の同期という。自分も今年卒業したということで、共通の話題ができた。立派な庭を見せて、解説もしてもらった。庭には、鯉の泳いでいる池、雪見灯篭、学校で習わなかった立派な灯篭、ダイオウマツを主木に多種常緑樹が植わっていた。自分で手入れされているとのこと。これには、びっくりした。世の中狭いねえ!
 終了後はランチである。

 帰路はそのまま帰るのがもったいなく、野鳥観察をする。
 カワガラスである。最近よく見かける。

 何か白っぽい鳥が遠くに止まったが、識別できず。ヒヨドリっぽいが、飛び方が違っていた。

 いつものキジが相変わらず同じ場所にいる。

 何かの本に書いてあったが、感動や驚きは脳を活性化させて、老化を遅らせるという。楽しい語らいもいい刺激になった。いい日であった。皆さんに感謝である。