■身体障害
今日もありがたいことに予定はない。しもやけの足を引きずるようにしてセカンドオフィスに向かう。いつもの倍くらい時間がかかった。なんとか歩ける程度である。
店内の客はいつも見る顔であった。まもなく、常連さんが1名来店される。ランチの話で盛り上がった。
いっしょに店を出て、いっしょにデパートへ入ったら、クリームパンをいただいた。
昼食のために帰路に着くが、足の痛みは尋常ではない。ときどき休みながら長い時間をかけて帰宅した。
帰宅後はすぐに昼食の準備であったが、今日はそういう気は起きず休む。そうして、患部を確認すると、大きく腫れていた部分が裂けたようだ。靴との摩擦で亀裂が入った。これでは、歩くことは出来ない。応急処置でカットバンを貼ったがこれで緩和するはずもない。
1時間以上なご成ってから、やおら昼食の準備を行う。今日も試作で、麻婆スパゲッティに挑戦する。おそらく初めてではないか。しかし、事件は起こった。
自分の昼食用の麺は、一番高い棚に置いてある。手を伸ばさなければ届かない場所である。ここには、1kg300円代の蕎麦とラーメン、1kg160円代のスパゲッティが置いてある。もちろん、開封済である。重さを計るためにスパゲッティの袋を取り出そうとしたとき、やはり痛い足はかばうようになり、横のラーメンの袋に触れたようだ。結果、麺の束が顔をめがけて突き刺さるようになだれ込んで来る。メガネなので目は大丈夫であったが、床は麺一色になった。もったいないという感じはあったが、全て廃棄した。もう、まともな日常生活は送れなくなったと自覚した。こういう場合の履物は下駄が最良であるが、街の真ん中に下駄で出かけるわけにも行かない。
教訓として麺を入れる容器を買うことにした。長さを測定して買いに行こう。
麻婆豆腐は、豆板醤と甜麺醤のおかげで一段と美味しくなっているが、人様に出せるレベルではない。まかないとしては満点である。今日は、クリームパン付きの昼食になった。
昼食後は昼寝である。15時近くになったのでサンダルを履いて喫茶店に向かう。びっこを引きながらである。サンダルは靴より締め付けが弱いのでまだ我慢できる。
帰りも足を引きずって帰宅した。治るまでは動けないかもしれないが、そこはなんとか工夫で乗り切ろうと考えている。
■「新風記」(吉川永青著、講談社、2021年)を読む。
「明日も、その次も、良い日が続くことを願いながら。」
「数の力か。嫌なものだな」
「~できる限りの食い物を持たせてもらっている。しかし、それが尽きれば死が待つのみ。」
「上に立つ者のありようは、下の者を生かしも殺しもする。」
「~貧しいから美しいというのは、決して良いことではない。」
「あちこち旅して、広く物ごとを知るのが生き甲斐という変わり者である。」
「日持ちするように干してあっても、やはり肉は腐るものだ。」
「~後から加わった者がそれより上ではいけない~」
「自らの考えのみが正しいとでも言うのか。思い上がるな」
「人に必ず備わっておるのは、良き心ではない。悪しき心よ」
「驕り。欲。人の持つ悪しき心に呑まれたのではないか~」
「野山の獣は人を凌ぐ力と速さを持つ。しかし、いざ追い詰められるまでは向かって来ようとせず、まずは逃げようとするものだ。」
「心を広く、豊かに持つべし。」
「傷も病も眠らねば治らないからね。」
「志だ。人を束ねる者、須らく望みの高かるべし。」
「心の底から何かを望んだ時、人は力を惜しまぬものだ。」
「衣が水を吸って重さを増し、また体に貼り付いて動きを殺した~」
「旅とは先々の光を見て進むべきものだ。」
「清いだけでは足りない。濁り、汚れを吞み込まずに、どうして人の上に立てようか。」
「命の終わりに違いなどない。違いがあるとすれば、そこに値打ちがあるかどうかだ。」
「言うてくれる者がいる。ありがたいことだ」