アキグミ

■アキグミ

 今日もいい天気になりそうである。幸い予定はない。そこで、兼ねてから気に掛けていたアキグミを採りに行くことにした。今日は土曜日で人出が気になるので、朝一に向かう。

 前回下見していたとおり、実は成っている。ここは、日本一のアキグミの群生地だと聞いたことがある。

 まあ、初回は控えめに瓶一本にする。こういう水果は、袋だと潰れてしまうので、広口瓶が適しているように思う。あまり、首を傾けないように視線の範囲で採る。

 帰宅後は、昼食であるが、その前にアキグミを処理することにした。軽く茹でてウラゴシした。ここに、グラニュー糖を入れて煮詰める。

 この終点が難しい。自分は、冷却時間でも水分が蒸発するのでその分を見越してあげる。冷まして、容器に入れれば終わりである。器に付いたのを舐めてみたが、味はなかなかいい。防腐剤などは不使用なので、早目に食べなければならない。

 ジャムが終わってから昼食である。冷蔵庫にシイタケがあったと思っていたがなかった。今日は、蕎麦である。ナメコ蕎麦のつもりがキノコ蕎麦になった。ダイコン寿司は2日目であるが、もう一回分しかない。昨日は皿に一杯であったが、もう2切れである。

 昼食後は、昼寝である。その後、アキグミの種をクラフトに使おうと処理する。

 しばらくして、小腹が空いたので喫茶店に向かう。だいぶ、居眠りをしていた。

 帰宅後、冬支度をすることにした。灯油をタンクに入れるのである。裏へ行った時にシイタケの榾木からシイタケが出ているのが見えた。これなら、昼に使えたのだが。しかし、沢山出るね。今年で4年目ぐらいか。もう出ないと思っていたら、出ている。

 しっとりとしたシイタケは、台所に持って行く。

 アキグミは、明日パンに付けて試し、旨ければ、第二段をすることにしている。

■「もういちど、あなたと食べたい」(筒井ともみ著、新潮社、2021年)を読む。(その2)

「でも、そのミシンには針がない。」

「人生全般の記憶は覚束ないが、食べものの記憶だけは存外確かなのだ。」

「そのうち気が付いたら年取ってしまった。」

「そんなときの私のやり方は勉強型ではない。あたりまえにおいしい料理を作って、食べ、水を飲み、あとはボーッとした時間が長いだけだ」

「だって世界はヘンや不思議や謎に満ちているのだから。」

「~読んでいる間ずっと“息をしていなかった”ように感じた。」

「死は誰にでも必ず訪れる。死は何人のどんな死であれ、ひとりで逝くしかない。だから、他者によって一括りに“孤独死”などと言われる筋合いはない。」

「私はたまたま手指で食べるのが好きで~」

「時として“死”は、本当の“生”を炙り出してくれるのだと。」

「癌で死ねるのって、幸せなことかもしれないわよ。だって、余命がわかるんだもの。それまでの生き方を自分で選べるんだもの。」

「強いていえば不味いものが嫌い。」